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「ねぇ、僕に言ってるの?」
きょとんしながらと首をかしげてみせる。彼は何を言ってるんだろう。それが、にやにやしながら声をかけてきた男に対するAの感想だった。
「…?うん、そうだよ。君が余りにも可愛いもんだから、声かけちゃった」
どこか戸惑いつつもそう続ける男。中性的な容姿の彼は、女だと勘違いされた様だ。 そんな男を冷めた目で見ては、興味無さそうに告げる。
「そう。僕は別にひとりじゃないし、君に興味がある訳でもないから一緒に行く理由はないかな。じゃあね」
そして前を向き、列がちょっと進んでることに気づいてはそのまま歩き出す。男は、自分の誘いを断られた経験がなかった為か…プライドを刺激されたらしい。強行手段に出ることにした様だった。
「俺が行きたいって言ってんだよ。無理矢理にでも一緒にいってもらうから」
そう言って手首を掴んだ男の手が、__燃えた。それはもう燃えた。手が溶け、騒ぎに気づいた兵が駆けつけて来る迄燃え続けた。
「みんなやりすぎ…人間は弱っちいんだから…」
呆れたように呟くA。その様子に、反省はしても後悔はしていないといった様子で答える精霊達。
(えへへ、ごめんなさい)
(だってあいつが姫さんに触れたから…)
そう。今回の騒動は、決して不死鳥であるが故の性質等では無い。ただ怒った精霊達が、燃やしただけだ。
「えっと、すみませんっす。ちょっと事情が聞きたいんで、着いてきてもらってもいいっすか?」
兵士の格好をしたホブゴブリンが、そう声をかけた。
「…いいけど、僕、中に入りたいんだよね。また並び直しになるのかな?」
彼の何処かイラついた様子に、ホブゴブリンは慌てて…或いは怖がりつつも続けていく。
「い、い、いや。話を聞いたあとは簡単な入国審査をすれば、入れるっす!心配ご無用っす!」
その言葉聞いたAは、どうやら入れるらしい事に安堵する。この国の兵っぽいし、もしかしたらヴェルドラの居場所も知っているかもしれない。という淡い期待を抱きながら。
「そう。」
「それじゃ、着いてくるっすよ!」
そう言って歩き出したホブゴブリンに先導され、建物の前に連れていかれてく。入国審査をしている建物の、別の入口のようだ。
「さぁ、入るっすよ!」
促されるがままに入り、促されるがままに座る。
ホブゴブリンが前に座って、なにやら紙と筆記具を持っている。
「それじゃあ早速聴取っす!…えっとまず、なんでこの街にきたんすか?」
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ガロン - 最高です‼️ (2023年4月5日 0時) (レス) @page26 id: d75d0c6ddf (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - こういう系まじでほんっとにめちゃめちゃ大好きです、、よければ更新待ってます!! (2022年3月31日 9時) (レス) @page26 id: 44246302dc (このIDを非表示/違反報告)
トイレットペーパー(プロフ) - 更新待ってます!! (2020年5月18日 18時) (レス) id: 398094e875 (このIDを非表示/違反報告)
神弥(プロフ) - リクエストなんですけども、リムル様とどちらが強いかって言うのをエキシビションマッチ的な感じでやって欲しいです! (2019年2月13日 6時) (レス) id: 95804e6d35 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)えりな(プロフ) - スッゴい面白いです!何です!?このイケメン(美少女?)もうはまりました。続きもお願いします! (2018年12月27日 0時) (レス) id: f380eb65b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じゃこ | 作成日時:2018年5月2日 2時