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「ねぇ、どれぐらいで着くの?」

出発してから1時間。精霊達に籠で運んでもらいつつ、質問する。というのも、めんどくさがり屋な彼はいつも基本的に運んでもらっているのだ。

(んー、1週間ぐらい?)
(結構かかるよ!)
(くすくす、王子が自分で飛べば、すぐ着くでしょうけれど)
(違いないね!)

めんどくさがり屋な彼は悩んだ。早く会いたいけれど、自分で動くべきなのか。それとも時間は掛かっても運んでもらうべき?いやでも正直飛ぶぐらい疲れないし……。そんな葛藤を繰り返した末、暫く唸っては結論を出す。

「僕、飛ぶね。早く会いたいし。どっち?」

(東南に真っ直ぐだよ!!)

主が久しぶりに飛ぶと聞いて、歓喜する精霊達。何せ、彼の不死鳥としての姿は大変麗しいし__もちろん人の姿も美しいが___、本質であるともいえる。喜ぶのは当然の話だと云えた。

遠い昔、人間達が彼の羽を求めて世界中を探し回り、やっと見つけたそれを持ち、燃え尽きてしまったというのは有名な話だ。とはいえ熱や炎を無効に出来るならば、話は別だ。とある魔人がたった1枚の羽で莫大な富を築いたという逸話もあながち嘘じゃない。

「ん、わかった。ちゃんと掴まっててね」

そう言って、最上級の絹よりも滑らかで麗しく、どんな宝石よりも綺麗な羽を広げ飛び立った。

彼の飛行速度はやはり早く、半日どころか1時間足らずで着いてしまった。途中、速度を出しすぎて通り過ぎてしまったのはご愛嬌だ。ちなみに1週間かかるといった精霊は遅い訳では無い。ただ、彼が早すぎるだけなのだ。

「ふふ、着いたねぇ」

これから友に会えると思うと嬉しくて頬が緩んでしまうようで、なんとも愛らしい笑みを浮かべる。

(姫さん姫さん、あっちの門から入るみたいだよ)
(早く入りましょ!並ぶみたいよ!)

「うん、入ろっか」

早速列の後ろに並び始めた彼は情報収集に励み、この国について知る事にでもしたのか、周りの話に軽く耳を傾けている。
それにしても、…。そう声を漏らしつつ、改めて辺りを見渡す。並んでいる種族は様々で、中には魔物までいる様だ。人と魔物が仲良く並んでいるという異様な光景に、彼は目を瞬かせた。

「…へぇ、面白いんだね。この光景もヴェルドラを解放した魔王によって作られたのかな」

そう目を細めて笑う彼は妖艶で、周りの心を鷲掴みにしてしまう。だからこそ、命知らずにも声をかける輩が現れるのだろう。

「ねぇ、君、一人だよね?テンペストに入ったら、俺と一緒にまわらない?」

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ガロン - 最高です‼️ (2023年4月5日 0時) (レス) @page26 id: d75d0c6ddf (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - こういう系まじでほんっとにめちゃめちゃ大好きです、、よければ更新待ってます!! (2022年3月31日 9時) (レス) @page26 id: 44246302dc (このIDを非表示/違反報告)
トイレットペーパー(プロフ) - 更新待ってます!! (2020年5月18日 18時) (レス) id: 398094e875 (このIDを非表示/違反報告)
神弥(プロフ) - リクエストなんですけども、リムル様とどちらが強いかって言うのをエキシビションマッチ的な感じでやって欲しいです! (2019年2月13日 6時) (レス) id: 95804e6d35 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)えりな(プロフ) - スッゴい面白いです!何です!?このイケメン(美少女?)もうはまりました。続きもお願いします! (2018年12月27日 0時) (レス) id: f380eb65b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じゃこ | 作成日時:2018年5月2日 2時

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