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「うむ、よし!!A!我がこの街を案内してやろう!心配するな、我はこの街を知り尽くしておるのでな!」
ヴェルドラが突然立ち上がり、意気揚々と言い放った。とても楽しそうな様子からして、誰かにこの街を自慢出来るのが余程嬉しいのだろう。
「ん、いいの?」
「うむ!」
Aも嬉しそうだ。とはいえ、ヴェルドラと違いAの場合はヴェルドラと出掛けるという行為そのものが楽しみなのだろうが。
「まず手始めに腹拵えだな!腹が減ってはなんとやら、であろう?我、天才かもしれん。」
「ふふ、ヴェルってばちょっと痛くなった?んー、でも前からそういう所があったのかも、なんてね。ここのご飯って炎より美味しいのかな?さっき食べたお菓子はすごい美味しかったな。」
「ものすごく美味いぞ!我のオススメはらぁめんだな!今までにない味でな?リムルが異世界の知識とやらでシュナに依頼して作り出した代物なのだ。楽しみにしてるが良い!」
「らぁ…めん?」
らぁめん??全く聞いたことの無いその響きにAはもう夢中である。未知の物に対する(不味かったらどうしようという)恐怖もあるが、先程のお菓子の味を思い出しつつも、きっと大変美味なのだろうと思っているようだ。
「ヴェル、早く行こ。」
「ここがらぁめん屋である!ちゃーはんせっとが美味いぞ?我もそれを食べたいのだがちゃーしゅーどんせっとも捨て難いし…」
ちらっちらっとAを覗く様はうざいとしか言い様が無い。きっとAもヴェルドラじゃなければ問答無用で燃やしていたことだろう。
「ふぅん、2つとも頼めばいいんじゃないの?」
「…あっ。」
完全に頭になかった!!と言いたげな顔を見て天才とは、と思うAであったが、言及はしなかったようだ。
「とんこつらぁめんちゃーはんせっと と、 しょうゆらぁめんちゃーしゅーどんせっと を頼む!辛いのとにんにくは抜きで頼むぞ!」
「じゃあ僕は、 とんこつしょうゆらぁめんちゃーはんせっと でお願いします。」
「お待たせしました、豚骨ラーメンチャーハンセットと醤油ラーメンチャーシュー丼セット、そして豚骨醤油ラーメンチャーハンセットでございます。大変暑くなっておりますのでお気を付けください。それでは、ごゆるりとお過ごしくださいませ。」
そう言って丁寧なお辞儀をし去ってく。店員には目もくれず、彼らは目の前のらぁめんに釘付けである。
ごくり。
2人の喉の鳴る音がした。
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ガロン - 最高です‼️ (2023年4月5日 0時) (レス) @page26 id: d75d0c6ddf (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - こういう系まじでほんっとにめちゃめちゃ大好きです、、よければ更新待ってます!! (2022年3月31日 9時) (レス) @page26 id: 44246302dc (このIDを非表示/違反報告)
トイレットペーパー(プロフ) - 更新待ってます!! (2020年5月18日 18時) (レス) id: 398094e875 (このIDを非表示/違反報告)
神弥(プロフ) - リクエストなんですけども、リムル様とどちらが強いかって言うのをエキシビションマッチ的な感じでやって欲しいです! (2019年2月13日 6時) (レス) id: 95804e6d35 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)えりな(プロフ) - スッゴい面白いです!何です!?このイケメン(美少女?)もうはまりました。続きもお願いします! (2018年12月27日 0時) (レス) id: f380eb65b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じゃこ | 作成日時:2018年5月2日 2時