￥過去_1 ページ13
過去
数日後の朝、母ちゃんが、
「明日、ナハト……お兄ちゃんがこの街に来るよ」と、朝ご飯の時に言った。
兄ちゃんの名前はナハトというのか。
物覚えは悪い方だと思うが、この瞬間で覚えてしまったと思う。
ナハト、ナハト。
ナハト兄ちゃん。
噛み締めるように口に出し、顔が綻ぶ。
急に呼んだら怒られるかな。
でも、どうしても、呼んでみたいと思った。
ずっと1人っ子で嫌だとは思わなかったが、街中で見かける兄弟というものが単純に羨ましいと思っていたことがあった。
手を繋いで、夕方なら、今日のご飯はなんだろうか、とか、明日は何をして遊ぼうか、とか。そんなことを話しながら笑いあって帰るのだ。
今日1日が長く長く感じ、昼頃にやっと、
初めて会う兄ちゃんにプレゼントを渡して、喜んでもらいたいと子供なりに思いついたのだった。
しかしお小遣いで買える範囲のものはお菓子くらいしかなくて、どうにか形に残るものがいいと必死に悩んだ。
そして探し出したのは四葉のクローバーだ。
やはり考えることは年相応で、やっと見つけた四つ葉を大事に大事に持って帰り、早く渡したいと余計に胸をときめかせていたのだ。
あんなに次の日が来るのが楽しみな夜なんて、今までもこれからも無いだろう。
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八月一日(プロフ) - ゆらさん» ありがとうございます…！私もそう思います()弟らしいコネシマが書けたらなぁと思っています(*´ω｀*) (2017年6月24日 15時) (
レス) id: 612c350003 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - こ、コネシマが、可愛すぎる,,,(吐血) (2017年6月24日 14時) (レス) id: 7ce0bf4e87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八月一日 | 作成日時：2017年6月18日 22時
