小さな運命が世界を変える【ハリポタ】 (ページ17)

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戸惑いページ17

スネイプはAのカップが空になったら紅茶を注ぎ、

時折茶葉も変えている

　『そういえば先生、先生って夢は見ますか？寝てる時に』

　「夢か…最近は見ないが、どうした？」

Aはカップを置き、真剣に話し始める

　『昨日私、変な夢を見たんです。なんか妙にリアリティがあって、本当に夢だったのかわからなくて…疲れが取れなかったんです』

　「ほう…どんな夢なんだ？」

スネイプは少し興味を持ったのか、カップを置く

Aも若干前のめりになって話す

　『ホグワーツのトイレが映ってました。あと、ハリーとハーマイオニー、ロンもいて…大きな怪物みたいなものも…』

　「ざっくりしているな…まぁただの夢だろう」

　『そうですよね…』

少し腑に落ちていないA

むうっと頬を膨らませて斜め上を見上げる

　『変な夢だったなぁ…』

　「同じ夢を一緒に見れる魔法でもあればいいのだがな」

　『ふふ、一緒に見てくれるんですか？』

すこし照れたような表情でそう言うA

スネイプはまさかの反応に戸惑った

　『先生が開発してくれるのを待ちますね』

　「我輩のことを買いかぶっているようですな」

くすくすと笑う二人。

Aは、まっすぐ自分を見つめるスネイプの瞳を見て、スネイプの人の好さを感じる

こんなにまっすぐ目を見て話してくれる人はなかなかいない

すぐに目をそらしたり、目以外のところを見る人ばかりで

Aは少しうれしかった

　『先生の瞳は、黒曜石みたいですね。深い黒なのに輝きがあって、引き込まれる』

　「っ！？」

スネイプは、まだ1年生とは思えないような彼女の色気に、背筋がゾワッとする

視線をそらし、目をつぶる

困惑しているAに、いつもの仏頂面で言う

　「あまり見るな」

“なぜか”は言えなかった。

スネイプ自身、自分がいま感じていることが何なのかわかりきっていない

ぐちゃぐちゃと自分をかき乱す少女の存在に戸惑う

ダイアゴン横町で一度会っただけなのに忘れられなくて

組み分けの時も彼女を探して

彼女が気になって飛行訓練を見に行って

保健室でわざわざ世話をして

今日はこうやって私室に招いている

自分がどうしてしまったのかわからないスネイプは

そんな自分の胸の内を知られないように、閉心術を使った。