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「A、いつの間に凪くんと仲良くなったの?」
『え、何で?』
「ほら、さっきの委員会決めのとき」
みんなの努力あって委員会決めは早々に終わり、話は修学旅行のグループ決めに移る。
教室内をみんなが自由に立ち歩き、グループ決めのための相談と称してそれぞれ雑談をしていた。
「そんな話、全然してなかったじゃん。どっちから誘ったの?」
「Aすごいよ、あの凪くんを委員会決めの話の舞台まで引きずり上げるなんて」
そう言って香奈はニヤニヤ、美咲は感心するような顔をする。
何か勘違いされているようだったので先程までのやり取りをそのまま伝えれば、今度は2人とも不思議そうな顔に変わった。
「え、何?凪くんはさっそくAに惚れたの?」
『何でそうなるの』
「凪くんってそんなことするタイプだったんだね、意外」
『ものすごくマイペースなんだよね、たぶん』
「それはそうなんだろうけど…」
「男子たち、Aとペアになりたかったんだろうね。あの時みんなして凪くんにブーイングしてた」
『もう香奈ってば、さっきから揶揄うのやめて』
「本当のこと言ってるだけじゃーん」
怒ってても可愛い、なんてヘラヘラ笑う香奈を小さく睨みながらため息を吐けばちょうどチャイムが鳴った。
「今日は放課後に委員会の顔合わせがあるから、各自行くように。それではLHRは終わりまーす」
それだけ言い残すと先生は教室を出て行った。
『先生もかなりマイペースだよね』
「それは言えてる」
「良いじゃん楽だし」
『まぁね』
そんな話をしていれば先程までの話題はそのまま自然と流れて行った。
「本当に終わるの待ってなくていいの?」
『うん、終わるの何時になるか分からないし』
「帰り、本当に気をつけてよ?」
『自転車だし大丈夫だよ、ありがとう。2人も気をつけてね』
「ちゃんと家着いたら連絡してね〜」
『ん、分かった』
放課後、そんな会話を交わして2人を見送る。
それから凪くんの方を見れば、ウトウトとしていた。
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chiito(プロフ) - Saeさん» Saeさん、はじめまして!そんな風に言っていただけるなんてすごく嬉しいです…!!こちらこそ本当にありがとうございます(;o;)♡ (6月4日 23時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
Sae - これ神作ですね…!!いつも癒やされてます!!本当にありがとうございます〜♡ (6月4日 22時) (レス) @page34 id: ce5901011e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chiito | 作成日時:2023年4月5日 15時