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高鳴った 鼓動隠して ページ45

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初めて好きな人が出来て、その人と両想いになれて。
まるで夢を見ているようで、帰り道は何だかずっとふわふわとしていた。


『ごめんね、家まで送ってもらって』
「当たり前でしょ、1人で帰らせるなんて危なすぎ」
『ふふ、心配してくれてありがとう』
「…ね、家にご両親いる?」
『お父さんは今日飲み会だって言ってたけど、お母さんはいるよ』
「ちょっと挨拶してもいい?」
『え、挨拶…!?』


もうすぐ家に着くというタイミングでそんなことを言う凪くんに思わず驚いた。
彼氏彼女の親への挨拶って、こんな早くにするものなのだろうかと困惑する。


「大事な娘さん連れ回したのに時間遅くなったし、お母さんも心配してるでしょ」
『連絡は入れてあるし、たぶん大丈夫だと思うけど…』
「一応、顔見せた方がご両親も安心じゃない?…こういうの、ちゃんとしときたい派なんだけど」


普段なんでも"めんどくさい"で片付ける凪くんなのに。
そう驚くと同時に、大事にしようとしてくれていることが伝わって来て嬉しくなる。


『ありがとう。じゃあ呼んでもいい?』
「ん」
『…ちょっと緊張してる?』
「…当たり前でしょ」
『ふふ、大丈夫だよ。お母さんおっとりだから』


玄関前でそう伝えれば、彼はいつも通りの無表情ながらも少し強張った顔をしていた。


『ただいま〜』
「おかえり〜A。花火どうだった?」
『すっごく綺麗だったよ。あのね、ちょっと玄関まで来てくれる?』
「どうかしたの?」
『ちょっと会って欲しい人がいて』


そう告げると何かを察したのか、一瞬で目を輝かせる母に思わず笑う。


『凪くん、うちの母です』
「こんばんは、初めまして。凪誠士郎と申します」
「あらぁ、あらあらあら、こんばんは〜」
「すみません、こんな時間まで娘さんを連れ出してしまって」
「いいえ〜電車も混んでたってAから聞いてたから大丈夫よ。わざわざ家まで送ってくれてありがとうねぇ」
「いえ、それじゃあこれで失礼します」
「またいつでも遊びに来てね〜」
「ありがとうございます」
『ちょっとそこまでお見送りしてくるね』


そう言って再び家の外へ出れば、玄関のドアが閉まった途端に凪くんが大きく息を吐いた。


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chiito(プロフ) - Saeさん» Saeさん、はじめまして!そんな風に言っていただけるなんてすごく嬉しいです…!!こちらこそ本当にありがとうございます(;o;)♡ (6月4日 23時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
Sae - これ神作ですね…!!いつも癒やされてます!!本当にありがとうございます〜♡ (6月4日 22時) (レス) @page34 id: ce5901011e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:chiito | 作成日時:2023年4月5日 15時

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