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雰囲気作って ページ39

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あれから普通の学校生活に戻り、一つの試験を終えた私たちは夏休みを前にして浮かれていた。


『相変わらず頭いいね』
「Aさん、英語すごいじゃん」
『けど英語くらいしか凪くんに勝てないや』


なんて笑えば心なしが凪くんも笑っているように見える。

もしかしたら私の勘違いかもしれないけれど、凪くんの表情が以前よりも豊かになっている気がする。
嬉しそうだったり、楽しそうだったり、退屈そうだったり。
香奈や美咲にはまったく分からないと言われてしまったけれど。


「テストも終わったしさ、来週末ある隣町の花火大会行きたくない?」
『え、行きたい…!』
「凪くんも行くでしょ?」


何を思ったのか、美咲が凪くんを誘い始めて突然のことに驚く。


「…実は俺、人混みに行くと死んじゃう病気なんだ」
「ふーん。…ね、Aは浴衣着るでしょ?」
『うん、せっかくだし着ようかな』
「……」
「いま完全にAの浴衣姿を想像してたでしょ。ムッツリなの?」
「高橋さん今日もうるさい」
「何よムッツリ寝太郎」
「この間のこともあるから用心棒として来てくれたら助かるんだけどなぁ」
「けど寝太郎は人混みで死んじゃうもんね、無理か」
「…いま完治した。行く」


その凪くんの言葉に思わず驚くと同時に申し訳なくなる。


『凪くん、無理しなくても大丈夫だよ?』
「別に無理してないけど」
『…けど、気を遣わせちゃってるよね』
「何で?」
『この間、話聞いてもらったから…』
「関係ないよ」
『…本当?』
「本当。言ったでしょ、本当に嫌だったら行かないって」
『…じゃあ一緒に行ってくれるの?花火大会』
「ん、そう言ってるでしょ」
『…嬉しい、ありがとう』
「ん、ちゃんと浴衣着て来てね」
『凪くん浴衣好きなの?』
「…Aさんのは見たい」
「…何その会話、カップルみたーい」
『え?』
「……」
「んふふ、何?もう付き合ってんの?」
『な、何言ってるの香奈…っ!?』
「…いつも高橋さんに邪魔される」
「あはは、香奈ったら意地悪言わないの」


そんな風に言われてしまえば恥ずかしくて、赤くなった顔を手で覆って隠す。
だから凪くんがこちらを見つめていることには気付かなかった。


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chiito(プロフ) - Saeさん» Saeさん、はじめまして!そんな風に言っていただけるなんてすごく嬉しいです…!!こちらこそ本当にありがとうございます(;o;)♡ (6月4日 23時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
Sae - これ神作ですね…!!いつも癒やされてます!!本当にありがとうございます〜♡ (6月4日 22時) (レス) @page34 id: ce5901011e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:chiito | 作成日時:2023年4月5日 15時

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