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『…私が倉庫に引き摺り込まれるのを見てた人が、すぐに幼馴染に知らせてくれたらしくて。そのおかげで何もされてなかったし、無事だったんだけど』
「…だから高橋さんたち、いつもAさんが一人になるの心配してたんだ」
『そうなの。ごめんね、こんな暗い話しちゃって』
「んーん、大丈夫。話してくれてありがと」
好きな人に、何でこんな話をしてしまったのだろうと少し後悔する。
先程の出来事に気が動転していたのか、それとも優しい凪くんなら受け止めてくれると思ってしまったのか。
『ごめんなさい、凪くんの優しさに甘えちゃってるね。…親にもこのこと話はしてなかったんだけど』
「…だとしたら俺は嬉しいよ。頼ってくれるの」
『…けど、めんどくさくない？』
「めんどくさくない」
私の不安を一掃するように言い切ってくれる凪くんに、また泣きそうになる。
「あーもう、泣かないで」
『ごめ、また安心しちゃって…』
「あ、凪くんがA泣かしてる！！」
「こら香奈、お店なんだから静かに」
「見つかった…」
声のする方を見れば香奈と美咲が立っていた。
2人の顔を見ればさらに安心してしまって、堪えていた涙が再びポロポロと溢れ始める。
凪くんは私が泣いている間に先程の出来事を二人に説明しながらも、ずっと手を握り続けてくれていた。
「ここら辺そういうスポットなのかな？私たちもナンパされてたの」
「それ撒いてたら来るの遅くなった、本当にごめん」
『二人も無事で、よかった』
「顔が良いと大変だね」
「そうなの。そこで凪くん、この後は特に予定ないよね？」
「…まぁ、うん」
「私たちの用心棒して」
「えぇ…」
「Aがまた男に声かけられてもいいの？」
申し訳ない気持ちと、凪くんが隣に居てくれたらと思う気持ちで黙っていれば凪くんと目が合う。
「…まぁいいよ、確かにAさんは心配だし」
「私らのことも心配しろ」
「高橋さんは自力でいけるっしょ」
そう言いながら凪くんは集合時間まで一緒に居てくれることになった。
その間もずっと手は繋がれたままだった。
「最後の最後にトラブルはあったけど、修学旅行楽しかったね」
『うん、3人のおかげで楽しかった』
「もう、可愛いこと言っちゃって！」
『凪くんも、楽しめた…？』
「…ん、俺もAさんのおかげで楽しかったよ」
そう言って見つめられれば顔が真っ赤になっているのが鏡を見ずとも分かる。
よかったね、と香奈と美咲は優しく微笑んでくれていた。
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chiito(プロフ) - Saeさん» Saeさん、はじめまして！そんな風に言っていただけるなんてすごく嬉しいです…！！こちらこそ本当にありがとうございます(;o;)♡ (6月4日 23時) (
レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
Sae - これ神作ですね…!!いつも癒やされてます!!本当にありがとうございます〜♡ (6月4日 22時) (レス) @page34 id: ce5901011e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chiito | 作成日時：2023年4月5日 15時
