私にも関係あるかもね ページ27
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「北海道は!!」
「香奈、声大きいよ。しかもまだ東京だし」
『楽しみだね、北海道』
「誰でもいいからノッてよ」
「まだ北海道着いてないのにここだけ涼しいね」
「別にウケ狙ってるわけじゃないから、余計なことしか言わ凪」
「Aさん、高橋さんがヒドイこと言う」
『香奈、凪くんに失礼なこと言わないの』
「Aの前でだけぶりっ子してんじゃないわよ」
始業式があった日からあっという間に2ヶ月が過ぎて、修学旅行当日。
香奈のテンションはかなり高いし、私と美咲もいつもよりソワソワしている。
けれど隣に立っている凪くんはと言うといつも通りのテンションで大きくあくびをしていた。
「A、はよ!」
『あ、玲王おはよう』
「楽しみだなー、北海道」
『ね、旭山動物園楽しみ』
「動物好きだもんな、A」
『そうなの』
「おい玲王ーっ!」
『あ、玲王のクラスの人が呼んでるよ』
「久しぶりにAとゆっくり話せると思ったのに」
『ふふ、私とならいつでも話せるでしょ』
「だってクラス離れてからAとの時間減ってるじゃん」
「御影くーん!」
『そうだね。ほら、みんな玲王のこと待ってる』
「んー」
『またあとで時間あったら話そうね』
「…だな、行ってくる」
『うん、いってらっしゃい』
そう言って私の頭を撫でると嵐のように去っていく幼馴染は相変わらずの人気者らしい。
「…Aさんとあの幼馴染さんって、いつもあんな距離感なの?」
「前にも言ったでしょ、距離感バグってるって」
「バグりすぎでしょ」
「ふふ、何か思うところでもある?凪くん」
「…別に」
私が玲王と話している間、そんな会話がなされているなんて知らずにいた。
「てゆーか移動の飛行機もバスも、Aの隣をぜんぶ寝太郎が陣取るなんて…」
『まぁ3人席もなかったし…』
「それに凪くん本人と先生からのご指名だったもんね」
「だからって交代でも良かったじゃん」
「俺Aさんの隣じゃないと寝れないし」
「そもそも日中は寝なくていいんだよ」
「それにAじゃないと凪くん起こせないしね」
「そうそう」
「そうそうじゃないわよ!」
この2ヶ月間で、私は凪くんを起こす担当を任されるようになった。
理由は私が声をかけると凪くんがスッキリ起きてくれるから、らしい。
私も別に任されて困る訳でもなかったので、それを受け入れていた。
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chiito(プロフ) - Saeさん» Saeさん、はじめまして!そんな風に言っていただけるなんてすごく嬉しいです…!!こちらこそ本当にありがとうございます(;o;)♡ (6月4日 23時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
Sae - これ神作ですね…!!いつも癒やされてます!!本当にありがとうございます〜♡ (6月4日 22時) (レス) @page34 id: ce5901011e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chiito | 作成日時:2023年4月5日 15時