千冬の兄貴は強い (ページ12)

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いつものようにページ12

火事から数ヶ月

乾ちゃんも青宗も退院し、平和な日常が訪れた

と、思ったが…

一がお金を集め始めたらしい

理由は乾ちゃんの火傷跡を綺麗にするため

まだ小学生の一には無理だ、
俺が集めると言ったのに1人でなにかしているらしい

俺も火傷跡が綺麗になると嬉しいと思うが、一が無理するのも嫌だ

もっと年上を頼って欲しいと思う

前みたいに4人で笑って過ごしたい

そんな事も、もう出来ないんだろうか…

乾ちゃんは無事で、たまに痛むらしいが｢命があるだけマシだよ。｣と言っていた

俺を恨みもしなかった

なんでもっと早く助けてくれなかったのかって言われるのかと思ってた

乾ちゃんはとても優しい

一の事も心配している

乾ちゃんとクラスは同じだから何かあったら手助け出来るようになるべく近くに居るようになった

初めの頃は｢ボディーガードみたい｣と笑って｢恥ずかしいからやめて欲しい｣と言っていたがもう慣れたみたいだ

俺達は高校を卒業した

今は真一郎のバイク屋で働いている

他にも治療代のためにバイトをいくつかしている

乾ちゃんは治っているとはいえたまに痛む足を使いすぎて悪化するといけないため在宅でできる仕事をしている

そんな生活を7ヶ月続けていた

真｢今日泊まってくか？｣

『今日は乾ちゃんと青宗の様子を見てから家に帰るよ』

真｢そっか、じゃあまた明日な｣

『うんまた明日』

まさか、
これが最後の会話だなんて夢にも思っていなかった