千年の冬のような恋 2【松野千冬】 (ページ5)

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最後にページ5

その時一際響く声が私の耳に届いた。

？「なんだ、なんだ?」

貴方「あ、場地くん!」

そこには東卍の壱番隊隊長の場地圭介がいた。

場地「なんか、オモシレェ事になってんじゃん!」

そう言って軽快に神社の階段を上がってくる。

貴方「場地くん、一応まだ私、タケミっちに……」

場地「おらよっ!」

そのまま私の言葉を掻き消してタケミっちを本気で殴った。

武道「うっ!ぐっ…」

場地「あーあ、またやっちまった……」

彼は私たちに背を向けて顔だけ振り返った。

場地「マイキー、これで俺は失格だよな?」

マイキー「………」

あえてマイキーくんは何も言わないで場地くんを見ている。

貴方「場地くん、何言って」

場地「俺は東卍を抜けて芭流覇羅(バルハラ)に入ることにした」

貴方「そんな……」

場地「今日から俺は東卍の敵だ」

マイキー「………」

貴方「……っ!ちょ、待ってよ!場地くん!」

私が場地くんを引き留めるのを他のメンバーが固唾を飲んで見守っている。

場地くんは私を振り返り私の目の前に来るとしゃがんでこう言ってきた。

場地「稀咲には注意しておけ」小声

貴方「どういうこと?」

私の質問には答えず場地くんは立ち上がるとさっきとは違う言葉を私にかけた。

場地「特攻服、似合ってるぞ……最後にそれだけ言えたから満足だ!じゃあな」

貴方「場地くん」

私はあの告白の練習をした日に交わした場地くんの言葉を思い出した。

場地『東卍に稀咲っていう奴が入るらしい…何があっても俺がユウを守るけどな』

多分、それが場地くんが最後に伝えたかったことだろう。