千年の冬のような恋 2【松野千冬】 (ページ35)

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お互いの寂しさページ35

ドラケン「アイツからの手紙だ…内容までは知らねぇけど必死に書いてた」

一虎は驚いた顔をして言葉を飲み込んでいた。

ドラケン「読むぞ」

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貴方『かずくんへ
手紙なんてちょっとおかしいよね?会いに行けるはずなのに……
かずくん、本当にごめんね?
何を謝ってるかわからないよね、これはね苦しいことに気づいてあげられなくて
再会した日に私のことを目が覚めるまで見ててくれたでしょ?きっとその時はもう私が傷つくのを見てられなかったんだよね?
なのに私がマイキーくんを庇うようなことをしたから…それがいけなかったんだよね
ずっと1人で抱え込んでいたんだよね
きっと場地くんのことはこれから先も何度も思い出して引きずるかもしれない
だからちゃんと罪を償ってね!勝手にいなくなったら怒るからね? Aより』

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一虎は手紙の内容を最後まで聞いた瞬間大粒の涙を溢し始めた。

一虎「ユウちゃん……」

ドラケン「手紙にもあった通り、場地のことを引きずってはいるけどな前を向こうと頑張ってるよ」

一虎「本当にいい子すぎるよ…悪いのは俺なのにね」

ドラケン「だからよ、自ら命を絶つなんてことは絶対にすんな、そんなことをしたら余計にAが塞ぎこむからよ…お前だけはいなくならないでやれ」

そう言うと一虎との面会時間は終了となり俺たちは帰ることとなった。

武道「ドラケンくん……ユウちゃんは……」

ドラケン「今日は千冬に預けてきた」

武道「千冬にですか?なんで?」

ドラケン「あぁ?お前知らないのか…アイツは千冬が大好きなんだよ」

タケミっちは信じられないという感じでその場で立ち止まった。

ドラケン「聞いてないか?」

武道「確かに仲良しだなとは思いましたけど」

ドラケン「認めるのは寂しいが…お似合いだよ千冬とAって…」

俺は自分でお似合いと言っておきながら心に寂しさが生まれた。

Aは大事な人を失う寂しさを知ってる、俺は大切な家族が減る寂しさを知った。

どうやら俺たち兄妹はお互いの寂しさを乗り越えないといけないみたいだ。