４話：秘密 ページ13
「……開けないんすか？」
『心の準備が必要なんです』
セレーナの家の前に立って、しばらく経とうとしていた。
鬱先生への報告を追えた後、お城へ帰る前に１度セレーナの家へ寄ることにした。
怒られるのを覚悟して、彼女の家の前に立つ。
けど、ドアを叩く勇気がなくて立ち尽くしたまま時間が経過している。
しびれを切らしたショッピさんが横からドアに手を伸ばした。
『あ、ショッピさん待って……！』
私の訴えも虚しく、ショッピさんは手首のスナップを利かせて、乾いたノック音を響かせた。
『あっ？！』と声を上げた時にはすでに遅く、勢いよく扉が開かれた。
「もう！一体どこまで行ってたの？！今、何時だと思って……」
想像通り、目を吊り上げたセレーナが飛び出してきた。
可愛く詰め寄った彼女だが、私の姿を見るなり目を見開いた。
「なっ……どうしたの？！」
『あー……ちょっと緊急の任務が入っちゃって……』
「怪我は？どこも怪我はしてない？こんな血だらけで……」
今にも泣きそうなセレーナ。
私は昔から、彼女のこの表情に弱い。
困ったように笑うと、彼女は悲しそうに眉を下げた。
「とにかく、中に入って。それと、その……そちらの方は？」
チラッとセレーナがショッピさんを見やる。
意外だった。
いくら彼が新入り幹部とはいえ、軍の事情に敏感な彼女がショッピさんを知らないとは。
でも確かに、新聞に大々的に載ったわけでもないしな……と、１人納得して私はショッピさんを紹介した。
私と同じ幹部だと伝えると、セレーナは一瞬複雑そうな表情をした。
けれど、すぐに愛らしい表情を浮かべた。
「幹部様でしたか。いつも兄がお世話になっています。さあ、どうぞ中へ」
「どもっす」
家に入るなり、私はセレーナにお風呂場へ突っ込まれた。
とにかく体を洗って、怪我があるようなら手当もするからと言われた。
初対面の２人を一緒にするのは少し気がかりだったけど、ご立腹の妹に素直に従うことにした。
脱衣所で軍服を脱ぐと、あちこちに痣が見つかった。
痛々しい見た目なのは服だけで、体に傷はついていなかった。
打撲痕が少し痛むけど、これくらいはなんともない。
セレーナが心配することは何もないのに……
小さく息をついて、胸に巻いている布に手を掛ける。
布で圧迫された息苦しさには、まだ慣れない。
スルスルと布を取り始めた瞬間……
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双葉ちほ(プロフ) - #よにん。＠変人同盟さん» コメントありがとうございます！私もセレーナはお気に入りなので、嬉しいです♪ (2020年7月27日 17時) (
レス) id: 7ddb6147f4 (このIDを非表示/違反報告)
#よにん。＠変人同盟(プロフ) - セレーナちゃんちゅきだわ、、、気持ちわかるよ (2020年7月26日 21時) (レス) id: 56651a4ea9 (このIDを非表示/違反報告)
双葉ちほ(プロフ) - ああかさん» ありがとうございます！嬉しいお言葉……！更新、頑張りますね（笑） (2020年7月26日 17時) (レス) id: 7ddb6147f4 (このIDを非表示/違反報告)
ああか - うわぁ、、めっちゃいいです、、好きです。更新楽しみにしてます (2020年7月26日 0時) (レス) id: 0ba4941a1e (このIDを非表示/違反報告)
双葉ちほ(プロフ) - よにん＠変人同盟さん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです。 (2020年7月23日 17時) (レス) id: 35884a095a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：双葉ちほ | 作成日時：2020年7月2日 18時
