命短し恋せよ乙女 ページ32
♡
「ユニ…！！」
おしゃぶりへの炎の供給が始まった。
ユニは本気で命を捧げるつもりだ。
大空のアルコバレーノの命があれば、祝福の巫女の命を使ってボンゴレリングを復元するよりも、はるかに完全な形で他のアルコバレーノを復活させることが出来る。
彼女の覚悟が痛いほど伝わってくる。
真摯に自分の運命と向き合った、まだ幼さの残る少女。
「こんなの…」
＿＿間違ってる
死の恐怖に耐え、世界の為に自らその身を捧げる。そんな状況があっていいのだろうか。
ああでも、そうするしか方法が無いことも理解してしまっている。
ユニが命を落とすことを、私達は受け入れなければいけない。
彼女の落命なくして、私達の未来はないということ。
世界の理の前に、私はただどうしようもなく無力だった。
「…っ…」
私は死の恐怖に怯える1人の美しい少女から、目を離せないまま、その場に膝から崩れ落ちる。
彼女の覚悟から目を逸らすことだけは、絶対に出来なかった。
「いまです！」
すると、バジルくんの掛け声と共に、全匣兵器のボックスコンビネーションが７³の結界にわずかに亀裂を入れた。
「スーパー・ノヴァ・オーシャン！！！」
その生じた亀裂から、中へ入る者がいた。
「よお姫。」
「γ！」
「やっと会えたのにまたすぐいっちまうなんて、水くさいぜ。
オレの炎も使ってくんねーか？」
＿＿…！
γはユニを柔らかく抱擁し、２人身を寄せ合う。
「あんたを1人にはさせない」
「！！」
「まさか！！」
「アニキ！！」
「いつか耳打ちしてくれたの覚えてるか？あれの返事まだだったよな」
堰を切ったようにユニの頬を涙が伝う。
そんなユニに、γは優しく微笑む。
「なんだよ旅立つって時にシケたツラだな。
あんたの母さんは、そんなこと教えなかったはずだぜ」
「…！！」
(＿＿…お母さん…)
ユニの瞳からは涙が溢れた。
死の恐怖からではなく、最愛の人と共に旅立てる幸福を慈しむような涙だった。
そして、
ユニが微笑んだ瞬間、２人の肉体が消え去ると、身に着けていた服と彼女の託したおしゃぶりだけが遺った。
♡
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キノ - 楽しみです (2019年12月15日 18時) (
レス) id: ee7d8722a4 (このIDを非表示/違反報告)
ろこ(プロフ) - キノさん» ありがとうございます！12月からぼちぼち再開していく予定ですので、もうしばらくお付き合い頂けますと嬉しいです！ (2019年12月3日 20時) (レス) id: a6342bde11 (このIDを非表示/違反報告)
キノ - 今とても気に入ってる夢小説です。更新ゆっくりでいいので頑張ってください！ (2019年8月1日 8時) (レス) id: 11de05c48c (このIDを非表示/違反報告)
ろこ(プロフ) - リリンゴさん» ありがとうございます！これからも応援よろしくお願いします！！ (2019年7月11日 17時) (レス) id: a6342bde11 (このIDを非表示/違反報告)
リリンゴ - ヒバリさん、かっこいいです！このシリーズ大好きです！これからも頑張ってください！ (2019年7月10日 6時) (レス) id: 547ee901cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろこ | 作成日時：2019年6月24日 19時
