孤高の雲に祝福を③ (ページ13)

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その夜

学校から帰宅後。

弟が自室に入り、母と２人になると、母は静かに話し出した。

「ボンゴレ本部は今、後片付けに大忙しよ。
父さんもそのためにイタリアに残ってるの。」

「じゃあ、なんで母さんは日本に来たの？」

祝福の巫女である母は、ボンゴレでも重要な役割を持つ＿＿とリボーンくんが言っていた。

そんな母が本部をほっぽって、日本に来ていいんだろうか。

「明後日にはイタリアに戻るわ。
日本に来た理由は、10代目ファミリーを実際に見る為、でも一番は………」

そう言うと、母は自分のトランクの横に立てかけてあったスーツケースを食卓に置いた。

黒地に金の装飾が施されたそれは、いかにも高級そうな感じである。
母はその留め具に手をかけた。

「じゃん！」

ガチャ

「……着物？」

「巫女の正装で、千早っていうの。
これには特別に《祝福の衣(コロモ)》という名称が付いてるけどね。」

「ちはや……？」

「巫女さんが神楽(カグラ)っていう舞をする時に着るものよ」

持ち上げると、形は着物の羽織だ。
純白の生地で、着物の合わせに金色の紐が付いているシンプルなものだ。

良く見ると背面には、ボンゴレの紋章が金糸で細かく刺繍されている。

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