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「…着いた」
林を抜けると彼が振り返った。
空はもう夜の色をしていて、濃紺に映える星が綺麗だ。
すると、ヒュウという音と共に、一筋の光が空を登っていく。
「！花火…！」
ぱあんと弾けると、夜空に炎の花が咲いた。
それが儚く消えて行くのを皮切りに、次々と花火が上がった。
「気に入ったかい？」
「はい！とても！」
草むらに腰を下ろした雲雀さんに倣って、私もその隣に慎重に座る。
デートじゃなくて委員会活動だと、落ち込んでいたのが嘘みたいだ。
彼が私の為にここに連れてきてくれた。
それが舞い上がりそうなくらい嬉しくてたまらない。
「芸術家の君を喜ばせるには、ロマンチックな方がいいと思ってね」
「！」
いつか応接室で見た、穏やかな微笑だった。
夜風に靡く髪も、
その優美な瞳に映る花火も、
ゆるりと弧を描いた口元も、
なにもかもずっと目に焼き付けておきたいほどに美しい。
「……ちょっと。僕じゃなくて花火を見なよ」
「っ！！はい！」
＿＿見とれて魂抜かれてました！！
夏祭りに来て、雲雀さんの顔しか記憶にないというのもどうかと思うので、(それはそれで幸せだが)言われた通り、空に目を向けた。
咲いては散っていく大小形も様々な花を眺めていると、なんだか改めて感動する。
日本人ならではの感性が刺激されるのかもしれないなぁ、なんてぼんやり思う。
♡
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くらら(プロフ) - たくあんさん» ありがとうございます！ (2019年4月27日 23時) (
レス) id: a6342bde11 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん - 最近雲雀さん不足だったから嬉しい…(´･∀･`)更新頑張ってください(●´▽`●) (2019年4月27日 0時) (レス) id: a353fd29dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろこ | 作成日時：2019年4月14日 21時
