秘密の力 ページ13
「……」
でも後ろには雲雀さんがいる。
今まで誰にも見られないようにしてきた。
見られたらなんて言われるか。
人間じゃない、と不気味がられるに違いない。
＿＿いや、やらなきゃ
目の前で泣いているこの子を放っておけない。
それに
＿＿この力を使うことは、私の使命だ。
理由も根拠もないが、それだけは確信できた。
仔牛の少年に微笑む。
「ねえ、君なんてお名前？」
「ぐぴゃ？ら、ランボ…」
「じゃあランボくん、私ね、魔法が使えるんだ」
「まほー？」
「うん、目を閉じて。」
服に包まれた小さな手に触れる。
意識を同調させて、感覚を共有する。
＿＿共感
5感が溶け合う。
彼の痛みが私の痛みに、
彼の叫びが私の叫びになる。
私の身体から巻き起こった不思議な風が、木々を揺らした。
「！」
意識を繋げたことで、ランボくんの感情がどっと流れ込んでくる。
痛い、
寂しい、
悲しい。
幼い子供だからか、感情はとてもストレートだ。
目眩がしてきた。
久々に人に使ったから、疲労が大きい。
少し左膝が痛んだが、これくらいの傷なら受け止められる。
＿＿刹那
私の身体が風を纏い、それが収まると、ランボくんの膝はきれいな肌色をしていた。
そう、これが私の秘密。
私は他人の怪我を治すことが出来る。
「なにこれ〜？元通りだもんね！」
「紅呂奈、君…」
「雲雀さん、今の秘密ですよ。ランボくんも」
少し疲れた表情を浮かべてほほ笑みかける。
彼なら、誰にも言わないだろうけど。
「じゃ、お家に返しに行きましょ」
♡
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くらら(プロフ) - たくあんさん» ありがとうございます！ (2019年4月27日 23時) (
レス) id: a6342bde11 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん - 最近雲雀さん不足だったから嬉しい…(´･∀･`)更新頑張ってください(●´▽`●) (2019年4月27日 0時) (レス) id: a353fd29dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろこ | 作成日時：2019年4月14日 21時
