兎 と 狼【銀魂】

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｢着きやしたぜィ｣





｢わー…すごい｣





屯所前まで来て、ほんとに働くんだなぁと少し実感



みんないい人だといいな









誰かの部屋の前まで来ると沖田さんが急に振り返った





｢この部屋で待ってなせェ。近藤さん呼んでくる｣





｢あ、うん｣





コンドウさんって誰だろう、汗









.









｢ちょっと！！沖田さん！いつまで寝てるんですか！？｣





｢(…？女の人の声？)｣





待たされて数十分、襖の奥から女の人らしき声がした



同じ女中のひとかな？





なんて思ってた時だった





｢沖田さん、いい加減起きてください！開けますよ！｣





勢いよく開かれた襖



そして目の前には淡いピンク色の着物を着た、小柄で可愛らしい女の子





｢え…｣





｢え、｣





｢｢…誰ですか？｣｣





…前にもあったような、こんなこと





｢えっと…私、訳あってこれからここで働くことになったんです｣





｢…どうして沖田さんの部屋に？｣





何処か探るような目で見つめる彼女



…まぁ怪しまれても可笑しくない





っていうか待て





｢…ここって沖田さんの部屋だったんですか？｣





｢う、うん。そうだけど…貴方もしかして知らなかった？｣





｢はいもちろん。あのクソサドは今コンドウさんっていう人を呼びに行ってて私長いこと待たされてるんです｣





あえてクソサドというワードを強調して言ってやった



…あいつ男の部屋にまんまと女の子を入れて、しかも長いこと待たしてなんて無礼なんだろうか





｢あはは！！貴方面白いね！名前は？｣





｢え…、Aです｣





｢Aね！私は寧々！見ての通り私もここで女中として働いてるの｣





さっきは変な目で見ちゃってごめんね、そう言って手を差し出す



か、かわいい！！





｢ど、どうも…｣





｢私のことは寧々って呼んでね、あと敬語もなしね！｣





｢う、うん、わかった｣





ちなみに私は基本的に敬語は嫌いだ



目上の人にはもちろん礼儀としては使うけれど、本当はめんどくさい





神楽ちゃんは敬語なんてもちろん、目上の人にも容赦ないけど、汗









｢待たせたねィ｣





寧々との軽い自己紹介が終わったあと、丁度よく沖田さんがやっと戻ってきた



遅すぎる

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