# パレット 【 ヒプマイ短編集 】

弱音 × Juto.I ページ19

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俺の同期は兎に角優秀だ。









「 Aくん、前回の活躍は見事だった！

これからも期待しているよ！ 」








珍しく笑顔の署長。


肩に伸ばされた手を パシ ッ 、と払い、









『 もちろんです。 』









とそいつは答えた。









『 …ふぅ、 』









「 優秀で才色兼備なAが煙草を吸っている姿を見たら署長はガッカリするだろうな。 」








『 …銃兎じゃない。

ガッカリしてもらって結構。 』








『 私はあんな奴に認めてもらうために仕事してるわけじゃないの。 』と煙を吹き出しながら言う。









「 相変わらずだな。 」









『 お互い様よ。 』









『 …じゃあ、私はもう一仕事あるから。 』と歩き出すA。









『 …ッ！ 』









「 オイ！！ 」









ふら ッ 、と倒れたAを抱きとめる。









『 …ありがとう。 』









「 大丈夫か ッ ！？ 」








『 どうってことないわ。

…それより、離して。 』







少し俯いて顔が赤い。


…照れると可愛いな。









「 帰るぞ。 」








『 え、ちょ、何言ってんの！ 』








「 俺が上司の1人や2人動かせないとも？ 」









それに、また無理をされたって困る。









『 私にはやらなきゃいけないことがあるの！ 』









「 ごちゃごちゃうるせぇよ。

…偶には甘えて弱音くらい言えよ。 」









「 俺くらいにはな。 」と言うと、









『 銃兎のそういうところ好きよ。 』








…ッ 、 Aを可愛いって思うなんてどうかしてる。









「 俺だって頑張ってるAは嫌いじゃない。

ただ頑張りすぎてんのはいただけないがな。 」









グ ッ 、と引っ張って助手席に座らせる。


…んだよ、この感情。






俺がこの感情に気付くまで、あと少し＿＿＿ 。









(( 入間です、私とA今日はもう帰らせていただきます。 ))


(( …え？つまり私がして差し上げたことをお忘れになったという解釈でよろしいですか？ ))


(( 悪徳警官…。 ))









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