# パレット 【 ヒプマイ短編集 】

涙 × Jiro.Y ページ2

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『 二郎のばか！！！ 』







「 Aが悪りぃんだろ！ 」








事の発端は30分前。









『 二郎〜、さっきね一郎さんに会ったんだけど頭ポンってしてもらった！ 』







「 は？ 」







『 なんだろうあの大人の魅力感！

年上ってなんか謎に惹かれるよね！ 』







「 …俺以外のやつに触らせてんなよッ！ 」








『 でも一郎さんだよ？ 』






「 兄ちゃんでも、だ！ 」







『 そんなに怒らなくてもいいじゃん！ 』







「 Aは危機感がねぇんだよ！ 」






『 そんなことないもん…！ 』








とまあ、こんな感じで。


だって別に一郎さんだよ？


二郎の身内だよ？


それなのにそんなに怒らなくても…。









二「そんなに兄ちゃんがいいなら、兄ちゃんと付き合っちまえよ…。 」








『 …ッ、 』









…なんで。


二郎が好きだから二郎と付き合ってるのに…なんでこうなるの。









『 …ッ、じろ、のばか…！ 』








「 …ッ、泣くなよ。 」







『 じ、ろは私が、他の男と付き合、ってもいいの…？ 』








涙が止まらなくて、二郎に突き放されたことが辛くて上手く声が出ない。



フワッ 、 。









『 じろ…？ 』









「 嫌に決まってんだろ…！

兄ちゃんだろうが誰だろうがAは渡さねぇよ。 」









包まれた二郎の体に私も腕を回す。


…二郎の匂い。









『 二郎、好き。 』







「 俺だって、妬いちまうくらいに好き、なんだよ。 」









重なった唇は深く熱がこもっていた。









(( Aの涙、苦手なんだよ。 ))


(( 好き、だから泣きやめよ。 ))









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