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平野side
目が覚めたら潤くんがいて、さっきのは事故じゃなくて、俺が自ら飛び出したってバレてるみたい。
わかるよな…
顔が怒ってる。
松「紫耀」
平「…」
ベッドの横に持ってきた椅子に腰掛け、いつも以上に目力の強い潤くんの視線が俺に突き刺さった。
平「…ぁの……松『紫耀、ちゃんと俺の目を見て』…(コク)」
耐えられずにそらした視線も、潤くんが俺の頬を包み込んで前を向せられた。
松「何があった?」
だめだ、、
潤くんの目が真っ直ぐすぎて、今の俺には耐えられないよ。
平「…ッうう…」
松「紫耀…」
平「じゅ…くっ…うっううっ…」
両目から溢れ出した雫が潤くんの手を伝う。
親指で拭ってくれてるのに、どんどん溢れ出てきて止まらない。
松「辛かったな」
平「ひっ…ひぅっ…ゔーーーっ…」
優しく抱きしめられて、その温かな胸の中で子どものようにわんわんと泣きじゃくった。
平「うわぁぁぁーーーー…」
松「大丈夫大丈夫」
潤くんはただ優しく大丈夫と呟きながら、トントンと背中をさすってくれる。
それがさらに俺の涙のストッパーを外しちゃって、もうどれくらい泣いたのかな。
自分でもわからないくらい泣いて、顔が涙と鼻水でぐちゃぐちゃになるまで泣いた。
そして、心の中に隠していた本音をポロポロと吐き出すと、うん、うん、と黙って最後まで聞いてくれて、心がスーーッと軽くなっていった。
松「落ち着いた?」
平「…はぁっ…ぐすっ…ハァッ…うっ…」
松「紫耀がいっぱい泣いたから熱あがっちゃったぞー」
冗談まじりにそう言うと、頭を優しく撫でてくれる。
嬉しいな、潤くんの手。
平「…ゲホッ…しんどぃ…」
ピピピッ
松「…あーー…やっぱ上がってる」
体温計と睨めっこしてるから相当高いみたい。
でもいいんだ、まだ下がらなくて。
だって潤くんと一緒にいられるもん。
松「おいっなんだよ」
平「えへへっ」
擦り寄ると、さらに頭を撫でてくれる。
松「甘えん坊だな紫耀は」
平「あっ、、じゅんくっ…」
松「冷えピタ取ってくる。まってて」
パタン
平「……うっ…ふぇっ…」
ガチャ
平「ふぇーーー…じゅんくんー…」
松「えっ!ちょっ、ごめんって!戻ってきたからな!」
寂しくなってまた泣いてたら、戻ってきた潤くんが焦ってギュッと抱きしめてくれた。
平「いっちゃだめ…」
松「ああ、ここにいるから」
今はただただ幸せな気分だった。
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晴はる(プロフ) - メイメイさん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるよう頑張っていくので、お時間あるときに読んでやってくださいね(*^o^*) (2022年9月3日 23時) (レス) id: 2b7aa7cd67 (このIDを非表示/違反報告)
メイメイ(プロフ) - 子供たちもでかいので。自分達でご飯作ったり、バイトしたりしてます。だからお話も何回も見れちゃう時間があるんです。晴はるさんの小説毎回楽しみ( =^ω^) (2022年9月3日 23時) (レス) id: cb525dcc9e (このIDを非表示/違反報告)
晴はる(プロフ) - メイメイさん» 4人はすごい!!大変ですね!運動会は思いつかなかったです( ´ ▽ ` )秋だしそれもいいかもですねっ!ご提案ありがとうございます(*≧∀≦*) (2022年9月3日 23時) (レス) id: 2b7aa7cd67 (このIDを非表示/違反報告)
メイメイ(プロフ) - 4人の子のマミーです。もし新たにちびっ子しょおくん書いていただけるなら運動会バージョンよんでみたい。 (2022年9月3日 22時) (レス) id: cb525dcc9e (このIDを非表示/違反報告)
晴はる(プロフ) - メイメイさん» メイメイさんコメントありがとうございます(*^▽^*)メイメイさんはお母さまなんですね!ちびっこたちの話は思いつきで毎回書いてるんですけど癒されていただけてよかったです(*^^*)またお話余ったりしたら書いてみようと思います! (2022年9月3日 17時) (レス) @page11 id: 2b7aa7cd67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:晴はる | 作成日時:2021年9月15日 21時