俺らが紫耀を守るから34

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平野side

もう無理だった。

これ以上歩けなかった。


体は熱いし頭は重い。
咳も止まらない。


耐えきれずに廊下に座り込んで呼吸を整えていた時、誰かが目の前にしゃがみ込んできたんだ。



浮「体調悪いんですか？」

平「…え？」



それはまさかの浮所で。
助かった…正直そう思ってしまった。

先輩なのにカッコ悪い。



平「…浮所……ごめっ…」

浮「大丈夫ですから、それよりあんまり話さない方がいいです」



後輩に支えられながらなんとか歩いている俺。

さっきまではまだ歩けていたことが信じられないくらいに体が重くて足に力が入らない。

なんでこんな歩けないんだろ。


あまりの情けなさに涙腺まで緩みだす。
熱のせいで余計に弱くなってるんだ。



平「ゲホゲホッ！……ゲホッ…ゴホゴホ…」

浮「大丈夫ですか？！」



ソファに横になった瞬間に飛び出す咳。

喉を押さえながらこの苦しさに耐えるしかなかった。



平「げほげほげほっ、、はぁ…ゲホッ…」

浮「紫耀くん薬は飲んだんですか？」



浮所が背中をさすってくれてる。


あー情けない…

本当に情けない…



平「ゴホゴホッ……ごめっ、、げほっ、ゴホゴホ…」

浮「とにかく今は咳を止めることだけ考えください。体起こした方が楽ですよね？起こしますよー」



優しく背中を支えながら体を起こしてくれて、浮所の胸にもたれかかって咳き込み続けた。



平「けほっ、、はぁっ、はぁっ、はぁっ…」



やばい、頭クラクラする…

咳き込みすぎたせいで確実に熱が上がってしまった。



浮「おっと、紫耀くん、、めちゃめちゃ体熱くなってますよ…。これはやばいな……そういえばなんで廊下にいたんですか？」

平「…ハァッ…薬……飲む水、、ほしくて…」

浮「薬あるんですね！じゃあ僕水持ってくるので待っててください！」



俺の体をソファに下ろして一目散に楽屋を出ていった。



平「…けほっ、しんどぃ……ハァハァッ…」



朝はこんなにしんどくなかったのに。
仕事なのにこのままじゃやばい。

ソファで横になったまま動けなくて、目を瞑って熱い息を吐き続けていると、再びガチャっとドアが開く。



浮「紫耀くんお待たせしました！お水です！」



どうやら買ってきてくれたらしい。



浮「薬飲みましょう」

平「…ん…」



そしてまた体を起こされ、薬を俺の口に入れると、ゆっくりと水を飲ませてくれた。



平「さんきゅ……」

浮「いえ！」



浮所がいてくれて本当によかった。

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