俺らが紫耀を守るから27

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平野side

平「はぁっ…はぁっ…」



どうしようっ…
どうしようっ！



はぁっはぁっ…



大吾から逃げるように部屋を飛び出して、無我夢中で階段を駆け上がった。



大吾にバレた。
この傷は誰にも知られちゃいけなかったのに。

大吾に見つかった…！




ただただ焦りしかなくて、さっきから冷や汗が止まらない。



メンバーにも、家族にも、、バレるかもしれない。
知られることへの恐怖に体が震える。
軽蔑されるかも。




平「ふっ…ぅぅっ…くっ…」



溢れ出す涙には気づかないフリをして、ひたすら走り続けた。






バタンっ


平「はぁはぁ……いたっ…」



昨夜切ったばかりの手首がじんじんと痛み出して熱を持ってる。



平「いっ…はぁっ…」



なんでこんなことに…

逃げ込んだ非常口の階段に座り込んだ。



平「大吾に…見つかった…」



絶対廉の耳にも入るだろうし、もちろん他のみんなにも。


そうなったら俺…




平「どうしようっ…」



暴行のしんどさから少しでも楽になりたくて始めた行為。

後悔はしてる。
でも一度始めたら自分の力では止められなかった。

誰かに止めて欲しいって思ってるけど知られるのも怖くて。



平「ごめんなさいっ…」



そのままポケットに入れていたカッターを取り出した。

苦しくなったときのために潜ませてたんだ。



ザクッ


平「うっ…はぁ…はぁ…」



滴り落ちる赤い血を見るとなんだか安心して、俺はちゃんと生きてるって思えるから。



平「…はぁ……はぁ…」



そのままズルズルと体が沈み、冷たいコンクリートに体が当たるのを感じて目を閉じた。








西畑side

西「あいつどこ行ったんや！」



とりあえず闇雲に探してるけど全然おらん。

廉に連絡した方が…

いやでもそれは…



西「くそっ…！」



バタバタバタッ



バタンっ



大「うわっ！！えっ、大吾くんっ！？」

西「２人とも手伝って！」

大・長「「え？」」



一人より３人や。
一刻も早く紫耀を見つけ出して訳を聞かなあかん気がする。



西「俺はあっち探すから流星たちはあっちを頼む！」

大「わっ、わかった！」

長「見つけたら連絡するから！」



あの手首の傷。
何重にも跡がついとった。

何度も切ってる証拠や。


きっと紫耀のことやから人にも相談できず苦しんで、耐えられずに切ったんやろ。

あのアホっ…！



西「はぁっ…俺がっ…見つけたるからな！」



走り回ってあらゆる場所を探しまくった。

待ってろ紫耀。

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