俺らが紫耀を守るから42

4 ページ4

マネさんside

マ「平野おはよう」

平「…おはよう」



次の日、朝から平野を迎えに行くと、相変わらず体調が悪そうな平野が緩慢な動きで玄関から出てきた。


けど、昨日と違うのは…



マ「変装しなくていいのか？」

平「…しても、、意味ないでしょ」

マ「ふっ、そうだな」



もう俺にはバレてるわけだからな。



マ「じゃあ、乗って」

平「うん…」



いつもは俺に対して敬語の平野も、あまりにも疲れていて余裕がない時はタメ口になる。

きっと本人も気付かずうちに。

でも俺は全然嫌だとは思わない。
平野が気を許して甘えてくれてるみたいで嬉しいんだ。



マ「着くまで寝てていいからな」

平「うん」



そのまま病院まで車を走らせ、チラッとミラーで平野を見ると、首を落として眠っていた。


昨日より顔色悪いな。
それに以前より痩せた。

何もなければいいけど。



マ「平野、起きれる？」

平「…ん…、ぅん」



今日は昨日と違って、後ろのドアを開けて体をそっと叩きながら優しく起こした。

そしたらちゃんと起きてくれて安心した。

昨日はマジで怖かったから。



平「病院…」

マ「着いたよ。歩ける？」

平「マネさん心配しすぎだよ…笑」

マ「そりゃあ心配に決まってるだろ」

平「はは……」



そういいながらも車から降りた瞬間ふらつくから、慌てて支えた。



マ「ほら」

平「…大丈夫だもん…」

マ「いいから」



肩を支えながら歩き、前もってお願いしていたから裏から通してもらうことができた。

平野は今ではトップアイドル。
騒ぎになったら平野本人にもしんどい思いをさせてしまうだろうから。



看「このベッドに横になっていてください。すぐに先生来ますので。あっ、熱を測っておいていただけますか？」

マ「わかりました」



体温計を受け取り、平野を横にさせ、２人だけになった部屋でそっと椅子に腰掛けた。



マ「体温計はさませてな」

平「…マネさん、、」

マ「ん？」

平「俺、、病気とかじゃ……ないよね……」

マ「…平野……。大丈夫、違うよ。俺がついてるから安心していいからな」

平「マネさん……ありがとう」



手を握り、頭をポンポンっと撫でると安心したように笑ってくれた。


大丈夫、俺が平野を支えるから。



ガラッ

医「お待たせしました。体調がすぐれないと？」

マ「はい、１週間くらい前からだったよな？」

平「(コク)」

医「熱はないですね」



診察中、平野はずっと俺の手を握りしめていた。

5→←3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す