【A3!】同期と先輩【茅ヶ崎至・卯木千景】

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「あ、なんで私の部屋来たの？みんなと談話室にいたんでしょ？」

「あー忘れてた。いづみが来てたからの公演の映像を見せて欲しい。春組のしか見てなかったから」

「分かった。じゃあ今、渡すね！」

そう言い、棚から沢山のディスクが入ったケースを出し渡された。多分、全公演全日入ってるのだろう。私は千秋楽しか見る気ないけど。

「Aは仕事楽しい？」

部屋から談話室までの廊下で聞かれた。もちろん碓氷は後にトコトコと着いてきてる。

「……楽しいよ」

仕事は楽しい。頼りがいのある同期や先輩にも恵まれてる。ただ一つ不満があるとすれば、上司かな。

「何、今の間〜」

そう言って笑ういづみ。何かを察してくれたのか、「嫌になったらここにおいで」と言ってくれた。何にも言わず聞かず、こうやって言ってくれる姉がいることはとても嬉しいことなんだよなと思った。いづみがここを守ってくれてるから、私もきっとお父さんも帰る場所が2箇所ある。お母さんには申し訳ないけど、実家に帰る頻度より寮にくる頻度の方が多くなりそうだ。近いし。

談話室に入ると、ソファーに茅ヶ崎と摂津が座っていた。何かを真剣にやっているようなので、後ろから声をかけに行く。行くまでの間に「やめといたほうが...」みたいなことを言われたが、聞こえないふり。一緒の仕事してても見たことのない顔をしている茅ヶ崎。その他の表情見たくなるのは当然でしょ？

「何、真剣にやってんの？」

そう言いながらスマホを覗くと、MISSの文字。そしてこの画面見たことある。

「ﾁｯ...いきなり話しかけるなよ、立花。驚くだろ」

舌打ちの音が聞こえた気がするが、気のせいだろう。そしてまた営業スマイル。繕ってんのバレバレだっての。

「ごめんゴメン。そのゲーム、私もやってる。イベってそのイベだったんだ」

「え？は？」

「ストーリーが面白いよね。ストーリーメインだから、イベとかあまり走らないエンジョイ勢だけど」

もちろん推しイベは走るよ、と付け足しとく。そんなにスマホゲームはやらないから、スマホに唯一入っているゲームが茅ヶ崎と同じとは面白い。

「じゃあ、Aさんはこの素材持ってたりします？」

私の前に画面を持ってきた摂津。

「持ってる。ってか、余ってる。いる？」

その素材はイベ前から、いろんなところに落とされていた。新ストーリー解放のためにやってたら、大量に落ちてきた。

「フレ申しますわ」

「はい、これ」

「俺もしていい？」

「もち」

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