【おそ松さん】違って【おそ松】

◎25◎ ページ27

「僕のことは十四松でいいよ!!」





「あっ、じゃあ十四松先輩って呼ばせてもらいます!」





十四松先輩とそんなことを話しながら昇降口へと歩く。





ふと校庭見ると、体育祭の予行練習後はその場解散なのでガランとしていた。


「おそ松兄さんってかっこいいよね!!」



突然キラキラした目を向けられる。




「はい!とってもかっこいいですよね!」





私も笑顔で返すと、十四松先輩は満足気に大きく頷いた。




「おそ松兄さんともっと仲良くなれるといいね!!」





「えっ!」





にっこりとあどけなく笑う十四松先輩。





ばればれなのかな!?





ちょっと照れるけど、本当の事だもんなぁ…。





「はい。応援してて下さいね!」





にこにこ笑いながら歩く二人は、大したことを話してないのに、楽しかった。





「じゃーボク帰るね!!じゃーね!!Aチャン!!」





「ありがとうございました!」





パワフルな十四松先輩は目にも止まらぬハイスピードで駆け出すと、一気に見えなくなった。




すごいなぁ…。



運動神経抜群の六つ子なんだなぁ。




そういえばこの間会った、チョロ松先輩も、足が速かったことを思いだした。




おそ松先輩が何の競技に出るかは確認できなかったけれど、きっと抜群の運動神経で大層目立つんだろうなぁ!





「あっ!A!!大丈夫!?」




昇降口へ着くと、いつも登下校してきる友達が待っていた。




「あっ、皆待たせちゃってごめんね!大丈夫だよ!」





「良かったぁ、Aはどんくさいってゆーか、ぼけてるってゆーか、時々不安になるわー!」




「あはは、大丈夫だよー」




あまりに派手に転び過ぎたせいか、口々に皆が咎めてくる。




いっつも心配してくれて悪いなぁ。





「じゃあ、帰ろっか」




私がそう言うと呆れたように笑う友達。




「えっ？ええっ？」





「A…バッグ教室じゃん、あはは」




「どんな天然ー!?」





大爆笑に包まれる昇降口。




「そうだね…。待っててくれたのに悪いけど、バッグ取ってくるから先に帰ってていいよー!」





「そう？じゃあ気を付けてね!ばいばい!」

◎26◎→←◎24◎

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す