◎20◎ ページ22
ほんわりとした幸せな夢を見ていた。
しかし、突然の感覚により覚まされる。
トンと少々強めに胸あたりを叩かれ、こしこしと目を擦る俺。
何かを堪えるように慌てるAの声が聞こえる。
なんで、Aを抱き締めてんの!?
「…おはよ、A」
何がなんだか分からなくなる俺。
いや、自分でやったのは分かってるからね!?
混乱がぐるりと半回転して、逆に冷静になる。
「…は、離してください…」
すると、勘弁とでもいうようにAから声が聞こえてくる。
なんとなく離しづらくなって…
ーいや、なんとなく離したくなくて、そのままでいる
起きた瞬間から心臓はドキドキしてて、Aにばれないかな、とか心配になる。
けど、ふと視線を下げると、耳まで真っ赤にしたAがいて、なんとなく安心した気分になる。
「…顔、赤いね、照れてんの?」
出来るだけ平常心を装って、声をかける。
俺も、もうよくわからないけど、Aはもっとわからないだろう、この状況。
「…な…」
するとAは、更に顔を真っ赤にして、俺のパーカーをきゅっとつかんで顔を隠してきた。
うわ、何これ、めっちゃ可愛い。
何故か俺まで赤面するけど、まあAには見えない。
俺がこっそり息を吐いて、落ち着いてそのまま「うわっ、積極的ぃ」とかふざけたことを言うと、ゴロゴロとAが遠くへ転がっていった。
「な、なな…!」
そしてがばっと起き上がったAに、キッと睨まれる。
いや、全然怖くない。
てか可愛い。
「…なんかAって猫みたいだよなあ。」
「…ね、ねこ…?」
俺は、すくっと立ち上がると、呆然と立ち尽くすAのそばへ近付いた。
はは、ほんとに猫みたいじゃん
身長差で俺を見上げる感じになるAが、ちょっと愛おしくなって、そのまま頭をガシガシと撫でた。
照れるA。
けど気持ち良さそうにされるがままになっている、猫のようなAの頭から、するりと手をおろすと、「じゃーな」とだけ言って、ドアに手をかけた。
ドアを閉じるまで、焦げるような視線を感じていた。
「…っはぁー」
俺は息を深く吐くと、体育座りで、赤くなった顔を隠した。
ーなんだよアレ、可愛すぎかよ。
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あるふぁ0(零) - 読んでいて幸せな気分になったり、展開が毎回面白いです。 更新楽しみにしていますね。 頑張ってください!! (2019年5月27日 14時) (レス) id: f5d5643549 (このIDを非表示/違反報告)
りっぴょん(プロフ) - リクエストなのですが、おそ松が自分以外の他の人とイチャイチャしている夢主を見て嫉妬するなんていう展開は作れないでしょうか!? お返事待ってます! (2019年4月22日 16時) (レス) id: c29b2a608c (このIDを非表示/違反報告)
りっぴょん(プロフ) - リクエストなのですが、おそ松が自分以外の他の人とイチャイチャしている夢主を見て嫉妬するなんていう展開は作れないでしょうか!? お返事待ってます! (2019年4月22日 16時) (レス) id: c29b2a608c (このIDを非表示/違反報告)
ライム(プロフ) - とても素晴らしい作品です!読んでいて胸がキュンキュンします。応援しています!これからも頑張って下さい! (2019年4月22日 13時) (レス) id: 928e00f70d (このIDを非表示/違反報告)
ユメ - 初めまして。カラ松推しなのですが、おそ松兄さんのことも好きになりました(*^^*) 夢主ちゃんも少し天然だけど可愛らしいです♪ 更新頑張って下さい! 応援しています(^^) (2017年3月13日 12時) (レス) id: 794681af9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のちゅ | 作成日時:2016年1月30日 18時