#6 ページ20
「なぁ、A。このオムライスって食っていいやつ？」
オムライス？
千冬の手にはお皿に乗った一人前のオムライス。
オムライスといって思い当たるのは、
今日のお昼にマイキーにせがまれて三ツ谷が作ってたやつ。
『…』
少しの間考えてひとつの答えに辿り着く。
もしかしなくても、それ千冬用？
お見舞いに来てくれた千冬が食べるものないと困るから
マイキーのを作るついでに作ったって事？
どうしよう。
わたしのママがママすぎる。
『うん。いいよ。多分それ千冬用。』
「俺用？」
なんとも不思議な顔をしている千冬。
そんな顔も格好良いよ！
と、心の中で叫ぶ。
「『いただきます。』」
千冬はオムライス。
わたしはお粥だ。
「んっ！うま！このオムライスうまっ！」
うん。だよね。
だってそれ、
『三ツ谷が作ったやつだからね。』
「これ三ツ谷君が作ったの？三ツ谷君やべー。」
千冬はオムライスをあっという間にたいらげ、
フルーツまで有難くふたりでいただいた。
お皿洗いまでやってくれるという千冬の言葉に甘えて
お皿を洗っている千冬をリビングから眺めるわたし。
うん。
やっぱいい。
洗い終わった千冬が言う。
「んじゃ、俺帰るわ。」
『…』
帰っちゃうんだ。
わたしの顔を見た千冬が言う。
「何？帰ってほしくねぇの？」
……顔に出ていたらしい。
『…』
わたしの元まで来た千冬の腕の中に閉じ込められる。
あったかい。
夏なのにあったかく感じる。
耳元で聞こえる千冬の声。
「俺も帰りたくねぇけど、今日は帰る。ちゃんと寝てちゃんと治せ。分かった？」
なんだか無性に寂しくなってわたしは首を横に振る。
「…」
離れられないように千冬にぎゅーっとしがみつく。
「……しょうがねぇな、もうちょっとな。」
そう言って千冬は抱き締める力を強くする。
あの後何回か粘ってみたが、
結局帰ってしまった千冬の小さくなっていく背中をベランダから眺める。
『…お風呂入ろ。』
翌日。
マスクも換気もしたのに
マイキーでも、三ツ谷でもなく、
何故か千冬に風邪がうつってしまったのは
また別のお話。
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Tmwixx(プロフ) - 奏さん» 更に返信頂いてありがとうございます!!!!励みになります!!頑張ります(๑و•̀ω•́)و (2022年10月30日 14時) (
レス) id: b0a6614095 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - Tmwixxさん» 姫なら……破け、る…www読むにきまってます！更新待ってますから！頑張ってください！ (2022年10月30日 12時) (レス) @page20 id: 59220ffc51 (このIDを非表示/違反報告)
Tmwixx(プロフ) - 奏さん» 奏さん!!コメントありがとうございます!!嬉しいです!!浴衣……破れ…るんでしょう！姫なら!!笑引き続き楽しんで頂けたら幸いです!!これからもよろしくお願いします┏○ﾍﾟｺ (2022年10月24日 21時) (レス) id: b0a6614095 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - めちゃくちゃ良かったです！浴衣って破れるもんなの…？頑張ってください！更新待ってます！ (2022年10月24日 9時) (レス) @page10 id: 59220ffc51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Tmwixx | 作成日時：2022年10月21日 22時
