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「いつもAがオレとケンチンの間に入って仲直り出来るようにしてくれてたの思い出した。オレが知らないトコで東卍がバラバラにならないようにAが動いてくれてたのも三ツ谷に聞いた。」
少し間をあけてマイキーはまた頭を下げた。
「ほんと、ごめん。」
その姿に、
マイキーの気持ちがこれでもかという程伝わってくる。
「パーが出てきたらいっぱいお祝いするって決めたんだ。やっぱりそこにはAがいて欲しい。」
『マイキー……』
そっか。
マイキーはパーちんの覚悟を大切にしてくれるんだね。
「それに…」
そう言って顔を上げたマイキーの
その顔が、その目が、その声が、
あの日のマイキーと重なる。
「オレの背中をまもってくれんのは、Aがいい。」
その言葉はまっすぐわたしの心に突き刺さる。
あぁ、マイキーはずるい。
そんな事言われたら嬉しくなる。
「ていうか、Aじゃなきゃ嫌だ。」
もうマイキー丸出しだ。
『…分かったよ。』
わたしがマイキーに甘いのは変わらないみたいだ。
「…え?」
『仲直りしよう、マイキー。』
マイキーに笑ってそう言えば、
「A!!」
ってわたしの名前を呼びながら抱きついてくる。
『ちょ、マイキー!暑い!離れて!』
「やだ!」
マイキーの後ろには、笑ってこちらを見ているみんなが見える。
エマに至っては泣いている。
たくさん心配かけちゃったんだな。と改めて思う。
あとでちゃんと謝らないと。
その間もマイキーはわたしにぎゅうぎゅうしている。
何を言っても無駄なのを知っているので、されるがままだ。
とりあえずマイキーの背中をとんとんしておこう。
ひとしきりぎゅうぎゅうしたマイキーは
ご機嫌でサッカーに戻っていった。
わたしもみんなの元へと歩いていく。
「A!」
『エマ…ごめんね。心配かけてごめん。』
「…A、!」
今度はエマが抱きついてくる。
なんだこの兄妹は。似たもの同士か。
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作者名:Tmwixx | 作成日時:2022年10月10日 9時