ヒメ【東京リベンジャーズ】弐 (ページ20)

今日:17 hit、昨日:16 hit、合計:98,959 hit

#2 ページ20

学校へ行けばどこかそわそわしている奴ら。
男子も女子も。

なんだか居ずらい空気に教室を出ようと席を立てば、
あまり話した事のないクラスメイトから声をかけられた。

「あ、あの！三ツ谷君、ちょっと、いい？」

「…」

声をかけてくれたクラスメイトについて行けば、
そこは人気のない階段裏だった。

目的の場所に着いても、その子は緊張しているのか、中々口を開こうとしない。

そして、少ししてから躊躇いがちに話し出した。

「あ、あの、その、一年生の頃からずっと、好きでした。受け取って下さい！」

そう言いながら差し出される恐らく手作りのチョコ。
その手は若干震えている。

「…ごめん。俺、好きな奴いるからさ。」

「そっ…か。うん、分かった。」

「わりぃな。」

「ううん。じゃあ、これ…三ツ谷くんの為に作ったの。これだけでも受け取ってくれる？」

そう言ったその子の手の中にあるチョコは
男の俺が見ても、すげぇ時間をかけて準備してくれたんだと分かる。

だけど、

「受け取れない。ごめん。」

俺は好きな奴以外のチョコは受け取らないって決めている。

今は、アイツ以外のチョコは受け取らない。