#5 ページ6
「あぁ！？似合ってただろうが！！」
「場地さんのおさげ……見てぇ！！」
千冬が目を輝かしている。
『……圭介、座って。』
「あ？」
『おさげするから、座って！』
「あ！？なんでだよ！？断る。」
『千冬が見たいって！圭介のおさげ見たいって！』
「知るかよ！！」
『千冬の発言はね、世界を動かすんだよ！』
「は？」
「A、それはアタシも意味分からない。」
なんてこと……！
敵に味方が増えてしまった…！
『ーッ、こうなったら、コレで決着つけようじゃない！』
そう言って拳を握りしめる。
「上等じゃねぇか、やってやらぁ。」
負けじと圭介も拳を握りしめてくる。
「ちょ、場地さんもAさんも落ち着いてください！」
「『うるさい！千冬は黙ってろ / 黙ってて！！』」
「はい！すみません！」
「…」
『…』
「…」
暫く睨み合ったわたし達はどちらからともなく口を開く。
『「ジャーンケーン…！」』
「え？」
『「……ポンッ！！！」』
圭介 : グー
わたし : パー
『……ッシャー！勝ったー！！』
「だぁ！！くそが！！！」
『ふんッ！どーだ！ざまぁ！圭介ざまぁ！』
「あぁ！？てめー調子乗ってんじゃねぇぞ？」
気分が良くなった所でふと思う。
『……ん？で、なんの勝負なんだっけ？』
「あ？……忘れた。」
その言葉と同時に火サスが終わりを告げている。
「終わっちまったじゃねぇか！」
『犯人は？』
「見逃したわ。」
唯一見ていたであろう涼子ちゃんはいつの間にか眠っている。
『え、気になる。火サス仲間の御手洗君に電話してよ!!』
「番号知らねぇよ。」
『えー…』
仲間じゃないのかよ。
まぁいいか。
どうせあの女だ。
間違いない。
自信満々のわたしに千冬が教えてくれる。
「あの人でしたよ！あの優しそうなオジサン！」
『え』
「あ？」
まさかの！？
火サス…侮れない。
火サスが意外と面白い事は分かったけど、
結局、
千冬に好きな人がいるのかどうかは分からずじまいだった。
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作者名：Tmwixx | 作成日時：2022年11月2日 20時
