ヒメ【東京リベンジャーズ】壱 (ページ45)

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しばらくして武蔵神社に到着する。

「Aさん！お疲れ様です！」

『お疲れー。』

わたしの姿を見かけると声をかけてくれる隊員達。
今となっては見慣れた光景だが、はじめの頃はこれが慣れなくて。
誰かを見かけた途端にわたしから声をかけていたら
ドラケンに、幹部なら威厳をもてと怒られた。

その意味がよく分からなかったのだが、
三ツ谷にとりあえず挨拶はこっちからすんなって事だ。
と説明をうけ、その日から実行している。

『…』

辺りを見回しても圭介の姿がなかったので、
マイキーの元へ向かう事にした。

『マイキー、お疲れ。』

「おう。A。」

『ドラケンもお疲れー。』

「おー。」

『圭介はまだ来てないの？』

「あぁ、まだだな。」

わたしは気になっていた事をマイキーに聞いてみる。

『マイキーは圭介が今日連れてくる人の事知ってるの？』

「いや、知らね。」

マイキーも知らないのか。

「おーっす！なぁなぁ、知ってるか？場地のガリ勉！」

パーちんがぺーやんとこちらへ向かいながら聞いてくる。

圭介のガリ勉…？

なんだそのパワーワードは。
その二つは正反対の言葉だぞ。

「場地のガリ勉？」

違和感のありすぎる言葉に三ツ谷が聞き返す。

「オレらも昨日たまたま会ったんだけどよ、アイツ今ガリ勉スタイルで学校行ってんの！」

「まじウケんぜ。」

パーちんとぺーやんがその時を思い出したように笑いながら圭介のガリ勉の真相を説明してくれる。

『ガリ勉スタイル？』

「こーんな眼鏡かけて、髪ペッタリ七三にしてんの。」

体を使って表現してくれるパーちん。
なんだそのおもしろい状況は。

『何それ、チョー見たい。』

明日にでもこっそり圭介の学校行こうかな。

「でもなんでいきなりガリ勉？」

「ダブったからだろ？」

「見た目変えても意味なくね？」

その通りだ。さすが三ツ谷、分かってる。

「…あ。」

何かを思い出したように声を上げたマイキー。

『何？マイキー。』

「そういやこないだ場地に相談されたから、メガネかけとけば頭良くなるよって言ったんだけど、そのせい？」

いや、メガネかけても頭良くならないでしょ…

それを信じる圭介とは一体。
あ、だからダブってるのか。
妙な納得感。

「あ。」

『ドラケン？』

「そういやこないだメガネ買ってたな。アイツ。」

本人がいない所で色々なことが暴露されている。
…まぁいいか。圭介だし。