ヒメ【東京リベンジャーズ】壱 (ページ39)

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そんな時間に浸っていると、
真一郎くんが静かに口を開いた。

「A。」

『ん？』

「万次郎のこと、頼むな。」

『……？マイキーのこと？』

「あぁ。」

『…？』

「…」

わたしがマイキーに背中を預けてもらったことについて
言っているのかなと思ったわたしは、

『ちゃんとまもるから安心して。』

そう返事をした。

そんなわたしを見た真一郎くんは優しく笑っている。

その笑顔がやっぱマイキーに似てるなぁ、
なんて思いながら真一郎くんを見ていると
その笑顔のまま言う。

「Aが万次郎と結婚してくれたら、俺、兄貴になれんのになー。」

『いや、それはな………結婚、か。』

「お？脈ありか？」

『いや…、』

少し想像してみる。

もし、
もしも、
マイキーに

付き合うか。
って言われたら、……なんか違う気がするけど、

結婚しよっか。
とか言われたら、そうしよっか。とか返事しちゃいそうな自分がいる。

なぜだ。

待て。早まるな。
頭の中の自分！
キミはまだ13歳だぞ！

『……もし、30歳すぎても結婚してなかったら、考えてみる。』

「ハハッ、30とかすげーリアルだな。」

『まぁでも、マイキーがやだって言うよ。』

「言わねぇだろ。アイツは。」

『…？』

「真一郎ー」

新たに加わった第3者の声に、
とても穏やかだったわたしの心臓が大きく跳ねる。

『わ、わ、わわ、ワカくん…！』

「ん？Aじゃん。」

「…A、俺との差が激しくね？」