プロローグ ページ1
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飛び散ったガラスの破片が、僕の頬を切った。
嗅ぎなれたはずの煙草の匂いが今日はやけに強く感じる。
壁際まで追い詰められた僕は、お父さんに胸倉を掴まれる。食事も碌に取らされていない僕は、人よりもひと回り小さかった。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「なんでお前はそんなに、出来が悪いんだ!!」
難関大学を首席で卒業し、経営者となったお父さんとは反対に、僕は成績が悪く、お父さんはその事がいつも気に食わないようで僕に暴力を振るう。
「お前のせいでなぁ、俺らのプライドが傷つけられるんだよ!!」
お父さんはそう言って僕を放るように壁に向かって投げる。痛い。額と生え際の間から、暖かい液体が伝う。
投げられた先には、この光景をただ立って影で覗いている姉がいた。実の姉ではない。お父さんとお母さんの本当の子どもだ。
姉はいつも僕を助けてくれない。いや、姉だけじゃない。母さんもだ。
「あんたなんか引き取らなきゃよかったわ」
母さんはそう言って、僕の二の腕に煙草を押し付ける。また新たに火傷の痕が増えた。
「ごめんなさい、ごめんなさい…」
冷たい視線で僕を見下すお母さんは、いつもテレビに出ている「娘を難関小学校に入学させた教育評論家」の面影すらなかった。
「謝ることしか出来ないの?」
お母さんはいつも、僕にそう言った。
「ほんとにあんたは不出来ね」
お母さんはそう言って僕の腹を蹴った。壁際にいた僕は、蹴られた衝撃で壁に強く背中を打ち付けられる。
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しふぉんぬ(プロフ) - うみさん» ヤンデレ通り越して軽くサイコパスですが。 (2018年4月17日 22時) (レス) id: 731333610b (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ヤンデレっていいよね !! 裕翔君のキャラすこ (2018年4月17日 21時) (レス) id: 0912b72df7 (このIDを非表示/違反報告)
しふぉんぬ(プロフ) - ムーミルさん» ムーミルさん初めまして!コメントありがとうございます。楽しんでもらえてるようで私も嬉しいです(*^^*) 更新も頑張りますのでこれからもよろしくお願いします( ..)" (2018年4月6日 18時) (レス) id: 731333610b (このIDを非表示/違反報告)
ムーミル - 初めまして。君と溺れて、ドキドキしながら読ませていただいています。 影なから応援していますので焦らず更新頑張ってください! (2018年4月6日 18時) (レス) id: 0645e67767 (このIDを非表示/違反報告)
しふぉんぬ(プロフ) - ラーグさん» 既視感のある設定ですみませぬ ありがとう!頑張りマース (2018年4月2日 7時) (レス) id: 731333610b (このIDを非表示/違反報告)
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