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生徒45「ネコの記憶」 ページ46

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ワンセットを落とし、休憩しながら日向に励ましの言葉をかけるチームのみんな。
私のその輪の中に入らず、隣の音駒に目を向けていた。

明らかに7番が反応してる、次に速攻してもブロックされる確率が高い。それにあのセッターは確かに観察眼は鋭いが運動能力的は並だ。だが崩したくてもレシーブをどうにかしなければ崩れないし、同時にこちらの攻撃に対して地道にコツコツ解決策を練ってくる。

なら、勝機は一つしかない。



「ッ!」



考え込んだまま音駒を見続けたせいでセッターくんに気付かれた。猫のような目で観察され、こちらから目を離したかと思ったらまたそろりと見てくる。
その様子が面白くて笑顔を浮かべた。すると彼は肩をびくりと跳ねさせ、身体ごと反対方向に振り向く。



「あーあ、怖がらせたかな」



日向が速攻の時目を開けたのだ。
これは、烏野が進化する幕開けに過ぎない。





*黒尾サイド



研「クロ」


黒「どうした研磨?」


研「あの人のこと、どう思う?」


幼馴染に呼ばれて言われた方向に目を向けば、それは試合前に話したお手伝いさんだった。
なんでわざわざそんな事を聞いてきたのか分からないが、研磨が気になるということは何かしから理由があるのだろう。



黒「手伝い、って言ってたからバレー経験者だと思うがまだよくわからないな」


研「そう」



研磨は少し考え込んでから顎を引いて、どこを見てるのかわからない眼差しで自然と口を開いた。



研「さっきその人と目が合った...こっちを見て勝ち誇った顔を見せてたよ」


黒「そのリアクションは状況的におかしいな」



今ワンセットを取られた側にしては勝ち誇るなどといった表情をしないはずだ。

そういう時は何か勝利に繋がるものがなければ相手チームをわざわざ挑発しない。それに研磨の言うことは客観性があるから嘘はついてないはずだ。
ということは烏野は何か掴んだのか、それともこちらの動揺を誘うつもりだったのか。



研「クロ、油断しない方がいいと思う」


黒「了解」



研磨が警戒する程だ。
なら、"お手伝い"という肩書なしで一度考えを改めた方がいいかもしれない。

水分補給を取りながらその人を横目で見た。
キャップを被ってるからあまりよく見えないが、少し既視感のある顔立ちに何かを忘れてるような気がしてならない。



黒「なんだかなぁ...」



首を傾げつつ、次の試合に向けて頭を切り替えた。


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でんでんでん - お願いですぅぅううう更新してくださいいいいい大好きなんです😭😭😭 (7月7日 0時) (レス) @page46 id: 92be24dccc (このIDを非表示/違反報告)
アイスみたいな?? - うわぁぁぁぁ続きが気になりますぅ!!!!更新頑張ってくださいまし!! (2021年10月30日 1時) (レス) @page46 id: 173f9610a3 (このIDを非表示/違反報告)
youyuetaoze(プロフ) - 面白かったです!更新頑張ってください! (2021年6月11日 7時) (レス) id: d01cf80ca9 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ああさん» ありがとうございます!可愛いは正義!!これからもよろしくお願いします。 (2020年4月23日 15時) (レス) id: 71b6ca274a (このIDを非表示/違反報告)
ああ(プロフ) - めっちゃ好きな感じです!のやっさんがかわいい…。これからも頑張ってください! (2020年4月5日 13時) (レス) id: 33ccc4dd69 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:椿 | 作成日時:2016年10月25日 10時

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