【ハイキュー】今日から烏野高校の教師になりました。

生徒３８「灰色の泣き黒子」 ページ39

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他のバレー部員と手分けして、なかなか見つからない日向を懸命に探した。だがされど見つかることもなく、時間だけが過ぎていく。



「あ〜武田先生に怒られる...いやでもここ地元だしなんだかんだ自分で体育館に戻りそうな気が、」



私は日向のことを犬とでも思ってるのだろうか。
いや、雰囲気的にワンコ系をだとは思うけどそんなまさかね...本能で帰り道わかるとかないよな？



菅「A先生〜日向見つかりました！」


「よくやった菅原！お前が今日のMVPだ！！」


菅「わっ！」



嬉しさのあまり頭を撫でまくる。
ご褒美といえば聞こえいいが、正直ずっと彼の髪の毛に触りたいと思っていた。

みんなと違う珍しい毛色に始めは寒ていると思ったが、聞くと地毛で家系がそういう色なんだとか。
先祖に外国人とかいたのかな、これが自分の髪だったら長く伸ばして色んな髪型とかにするな。


「んーやっぱり柔らかいね。少し天パだけど指が通るし線が細い...それに色素が薄いから光の加減でキラキラして綺麗だなぁ」


菅「あの、先生ッ！」


「どうしたの？」



撫でる手を止めずに問いかけたら私の手を掴まれた。

頭から離された両手で握りしめて、どこか拗ねたような顔をする菅原はプイッとそっぽ向く。



菅「恥ずかしいので、やめて下さい...」



子供扱いが気に入らないようだ。

いや、もう、可愛いかよ。
普段最高学年として後輩に接しているから素直に褒められるのは慣れてないのかな？しかも菅原はなんだかんだ言って後輩の面倒見がいいし部長の澤村を支え、エースのメンタルケアもしてる。

待って、よく考えるとめっちゃこの子頑張ってない？
一度考えてしまうとどうしても目の前の生徒を労わりたくなった。



「菅原、いつもありがとうね」


菅「えっ、」


「みんなのこと支えてくれてるじゃん？私たち先生ができない事や気付かない事を真っ先にやってくれる菅原に感謝してるの。でも、君もバレー部員だから自分のやりたい事を一番に考えてね」



そう言って肩をポンっと叩きながら掴まれた方の手をぎゅっと握る。

目を見開く菅原は少しずつ表情を崩して、くしゃくしゃの笑顔で私に微笑んだ。



菅「ッ...はい、ありがとうございます！！」



何か吹っ切れたように顔をした彼に、少しでも憂いてることを晴らせてあげたかなと先生冥利に尽きる。



「でも逃げようとしてる日向はあとでお説教だから」


日「うぐっ！はい...」


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