生徒37「問題児の鑑」 ページ38
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もちろん私も合宿所で寝泊まりするのだが、一つだけ問題が生じた。
「こんな広い部屋で1人だけで寝るのか...」
先生だからと言って部屋は混合にはしないらしい。
私も最初は納得したが、自分の寝る部屋を見た瞬間気が変かった。
1人部屋というのは存在しないのだろうか。
バスケ部員が雑魚寝しても問題ないような間取りに戸惑いと恐怖が走る。
「いや大丈夫!幽霊なんていない!いたとしても霊感がない私には到底見えるはずもない!!」
とりあえず大声で独り言を言ってみたが、部屋が静寂に包まれるだけで余計に1人だということが強調しただけだ。
くそ、普段なら全然平気なのにこういう時だけ雰囲気に飲み込まれるのはなぜなのか。
『ギャーーーー!!!』
「うお!!えっなに?!」
『お前ら、うるさーい!!!』
「あ、澤村だ」
なんとなく状況が察せた。
大方バレー部員の誰かも私みたいに暗い合宿所にビビって音とか何かを見て驚いたのだろう。
「ぶふっ...!」
あまりにも馬鹿馬鹿しい彼らのやり取りを想像してしまい思わず吹き出してしまった。
布団に転がった私は腹を抱えながら笑い、気持ちのいい胸の内でうつらうつらと船を漕ぐ。
「明日からも頑張らないと...」
そうだよ、手伝うなら全国行く気持ちで行かないと。
自然に目蓋が閉じるのを感じ、今更ながらの決意を抱いて私は意識を夢の中へと飛ばした。
*
鳥「次はランニングだ!A、お前もついていってくれ」
「わかりました、だけど日向みたいなスタミナは期待しないでね」
次の日、練習を練習に重ねる鳥養さんからの命令によりランニングに付き合うことになった。
正直に言うと今は体力ゲージはMAXだが、現役男子高校生こ体力と女性教師の体力ではかなり差がある。
なので私は観察も兼ねて後ろから見守ることにした。
ランニングするだけ、そう、走るだけの簡単な運動なのに...
「なんでここでも問題起こすのかな?!」
現状、影山と日向のいつもの競争により日向がガムシャラに走ったことでいなくなってしまった。
菅「A先生落ち着きましょう!」
「無理だよ!責任があるのに生徒1人見失うなんて...!」
澤「大丈夫ですよ。ほとんど影山と日向の自己責任なので、それにそんなに遠くには行ってないかと」
頭を抱える私の背中を澤村が優しく撫でる。
こういう時に見せる男の母性っていいよね、じゃなくて!まずは日向を探さないと!
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でんでんでん - お願いですぅぅううう更新してくださいいいいい大好きなんです😭😭😭 (7月7日 0時) (レス) @page46 id: 92be24dccc (このIDを非表示/違反報告)
アイスみたいな?? - うわぁぁぁぁ続きが気になりますぅ!!!!更新頑張ってくださいまし!! (2021年10月30日 1時) (レス) @page46 id: 173f9610a3 (このIDを非表示/違反報告)
youyuetaoze(プロフ) - 面白かったです!更新頑張ってください! (2021年6月11日 7時) (レス) id: d01cf80ca9 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ああさん» ありがとうございます!可愛いは正義!!これからもよろしくお願いします。 (2020年4月23日 15時) (レス) id: 71b6ca274a (このIDを非表示/違反報告)
ああ(プロフ) - めっちゃ好きな感じです!のやっさんがかわいい…。これからも頑張ってください! (2020年4月5日 13時) (レス) id: 33ccc4dd69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作成日時:2016年10月25日 10時