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生徒35「ツンデレの極み」 ページ36

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朝から大急ぎで準備をして適当に荷物を詰め込んだ。

ダッシュで体育館に着き、私はまず鳥養さんがいないことを確認し胸を撫で下ろした。

まぁ武田先生からは優しく注意されたが、うん、やっぱり一番怖かったな。



「ねむっ...」


山「あっ、これ使います?」



完全な独り言だったのだが、たまたま近くに居た山口に聞かれてしまった。

差し出されたものは目薬。
男子高校生がそんなものを持ってるとは、ドライアイなのかな?



「いいの?ありがとう」


山「いえ!」



好意をありがたく受け取り、目薬をさした。
意外にも刺激の強いものでかなり染みる。これなら頭も冴えて眠気も吹っ飛びそうだ。



月「ちょっと、僕の目薬勝手に貸さないでよ」


山「あっ、ごめんツッキー!」



するりと目の前に長身の月島が立ちはだかる。
口癖にようにツッキーと呼ぶ山口はどことなく嬉しそうな顔をしながら私と月島を交互に見てる。

少し不機嫌な顔をしてる月島に神経を逆撫でしないよう言葉を選んで話しかけた。



「これ月島のだったの?ごめん、山口のだと思って使っちゃった...」


月「...別に、また使いたくなったら貸してあげてもいいですよ」


「本当?それは助かるなぁ」



彼とはあまり話したことがない、言ってしまえばこれが初めて彼とちゃんとした会話だと思う。

意外にもそんなにツンとした態度ではなく、毒舌も鳴りを潜めているのはありがたい。
まぁ一応先生だから先輩と同じ扱いにはならないか。

顔を背けたまま会話を終えた月島は視線を交えずに山口の方へと早口で呼びかける。



月「じゃあ僕たちはこの辺で。いくよ山口」


山「待ってツッキー!A先生今日はよろしくお願いします!!」


「あっうん、よろしく...」



嵐のようだった。
いや、嵐の前の静けさの方が合ってるな。

なぜこうもバレー部は私との会話が簡潔なのに印象深いんだろう。あいつらは普通に会話することができないのか、不思議ちゃんなのかおい。


そんな私を余所に練習が始まり、鳥養さんが集合をかけた。



鳥「やることは一つ、練習、練習、練習だ。ゲロ吐いてもボールは拾え!」



その言葉と共に気合の入った返事が聞こえてきた。

日向よ、あんたもうゲロ吐いたの知ってるからな。
しかもバスの中で田中のズボンの上に。



「さて、私もビシバシ鍛えてやらなきゃ」



その言葉で私も気合を入れた。

後にバレー部員はA先生のスパルタ練習に根を上げるのであった。

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生徒36「ご指導のほど」→←生徒34「バレー部合宿開始」



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でんでんでん - お願いですぅぅううう更新してくださいいいいい大好きなんです😭😭😭 (7月7日 0時) (レス) @page46 id: 92be24dccc (このIDを非表示/違反報告)
アイスみたいな?? - うわぁぁぁぁ続きが気になりますぅ!!!!更新頑張ってくださいまし!! (2021年10月30日 1時) (レス) @page46 id: 173f9610a3 (このIDを非表示/違反報告)
youyuetaoze(プロフ) - 面白かったです!更新頑張ってください! (2021年6月11日 7時) (レス) id: d01cf80ca9 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ああさん» ありがとうございます!可愛いは正義!!これからもよろしくお願いします。 (2020年4月23日 15時) (レス) id: 71b6ca274a (このIDを非表示/違反報告)
ああ(プロフ) - めっちゃ好きな感じです!のやっさんがかわいい…。これからも頑張ってください! (2020年4月5日 13時) (レス) id: 33ccc4dd69 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:椿 | 作成日時:2016年10月25日 10時

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