生徒32「お互いの経過」 ページ33
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そこから試合は終盤に近付き、日向の調子が戻ったことで点数が縮まる。
だがしかし、町内会の方もバカではない。
サーブ権を握った時、眼鏡の人が独特なサーブを打った。
武「ん〜?なんですか、特にすごい威力のサーブって感じじゃないようでしたけど」
鳥「ジャンプフローターサーブだ。無回転で打つことでボールの軌道がブレるんだ。」
「あ〜私苦手だったな...」
律儀に鳥養さんの説明をメモする武田先生は魔球のようだと喜んでいた。
そこから町内会は4点ストレート得点が加算され、あと残り一点でゲームマッチを迎えた試合。
日向の囮でブロックがつられ代わりに田中がスパイクで決めようとしたが、西谷に拾われ東峰がそのまま一直線にラスト一点を取った。
「いい試合だったね」
鳥「改善点は山のようだけどな」
「そこはコーチの腕次第なんじゃない?」
鳥「お前...俺に対して遠慮なくなりやがって」
「まぁまぁ、今度一杯奢るから許してよ」
試合を終え、各自帰りの支度をし始めた。
鳥養さんの言う通り、レシーブ力が一番の課題だ。
だが監督として彼は他のことも考えなければならないことも知ってる。
チーム全体が納得のいくものになればいいのだけど、
「そこは私の領域じゃないからなぁ...」
影「あの、」
「うわぉ!」
完璧に一人だと思っていたので、いきなり後ろから声をかけられ変な声が出てしまった。
というか今から帰ろうと門を通り過ぎて人がいるなんて思わないじゃん。
しかも黒いジャージと髪で闇に溶け込んでる影山の顔なんて見えるはずもない。
「えっ、いつからそこにいたの?」
影「A先生に用があったので部活終わってからです」
「私そのあと職員室に30分以上いたんだけど...」
影「じゃあそれぐらいです」
「いやそこは帰れよ!用なら明日でいいのに、今何時なのか分かる?!」
思わず怒鳴ってしまったがこればかりは私のせいじゃない。
だけど知らなかったとはいえ高校生をこんな遅くまで待たせていたのは紛れもなく私の責任。
影山は肩をびくつかせ、困ったように眉を潜めた。
影「今日じゃないと、ダメなので」
口を尖らせて拗ねたような言い草に肩透かし食らった。
「はぁ〜、家まで送るから歩きながら話そう」
影「そ、それは...!」
「いいから」
問答無用で黙らせ、影山の腕を掴んで歩き出した。
お願いだから影山の用件が軽めでありますように!!
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でんでんでん - お願いですぅぅううう更新してくださいいいいい大好きなんです😭😭😭 (7月7日 0時) (レス) @page46 id: 92be24dccc (このIDを非表示/違反報告)
アイスみたいな?? - うわぁぁぁぁ続きが気になりますぅ!!!!更新頑張ってくださいまし!! (2021年10月30日 1時) (レス) @page46 id: 173f9610a3 (このIDを非表示/違反報告)
youyuetaoze(プロフ) - 面白かったです!更新頑張ってください! (2021年6月11日 7時) (レス) id: d01cf80ca9 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ああさん» ありがとうございます!可愛いは正義!!これからもよろしくお願いします。 (2020年4月23日 15時) (レス) id: 71b6ca274a (このIDを非表示/違反報告)
ああ(プロフ) - めっちゃ好きな感じです!のやっさんがかわいい…。これからも頑張ってください! (2020年4月5日 13時) (レス) id: 33ccc4dd69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作成日時:2016年10月25日 10時