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生徒27「勝ち星は誰の手に」 ページ28




それからぼんやりと鳥養さんの武田先生の話を聞きながら私は試合の成り行きを見守っていた。
あの頃の感覚を忘れようとしてたのに、あんなプレイを見せられたらぶり返すに決まってるじゃん。

まぁだからと言って今どうしようもできないのだが。
これがまだ通常の練習ならトスの一つぐらい上げても問題はないが、練習試合をしている今そんなことも頼めない。

いや、そもそも頼むこと自体おかしいんだけどね。
でもこうなった私は本当に使い物にならない。
自分の納得のいくスパイクを打つまで足が宙に浮かぶようにはっきりしないのだ。

だって、すべての意識をボールに向けてるんだから当たり前だよね?


あぁ、またエースがボールを打つ。
そして相手コートに...



「って日向!大丈夫?!」



思いっきりスパイクが額に当たった日向に思わず駆け寄った。

赤くなってる部分を擦る彼を止めて、そのまま寝かせた。



日「大丈夫です!すみません!」


澤「本当か?念のため休憩を...」


日「本当に大丈夫です!ちょった躱しきれなかっただけで大したことは。顔面受けるの慣れてるんで!」


「慣れてるからといって直ぐに動くのは良くない。脳震盪でも起きたら大変だし一旦休憩とろう?」


日「でも試合が...!」



日向の言いたいことは分からなくもないが、打ち所が悪かったら大けがにも発展する。
暫くして何も起こらなかったら出てもいいけど、今すぐはお勧めできないな。

それでも出ようとする日向の肩に手を置いて、こちらに向かせた。



「じゃあ休憩中でも勉強できるように、私が一点分だけ試合に出るよ」


日「えっ、先生がですか?」



目を丸くして私は見る彼に笑って、屈んでいた足を伸ばし胸を張って相手チームを見据えた。



「正直ね、さっきの試合を見てスパイクを打ちたくて仕方がないの。だから町内会チームには悪いけど、この一点、私が貰い受けるから」



どこか勝ち誇った笑みを浮かべている私は心底意地の悪い先生に見えるだろう。
だけど、これだけは譲れない。

私にとっての最高のスパイクをここにいる全員にお見舞いさせてやる。


宣戦布告を受けた町内会チームのメンツは多種多様な反応を見せていた。



澤「それは、楽しみですね」


西「俺もA先生の実力知りたかったんで丁度よかったです!」


旭「俺、殺されないかな...」


菅「ごめん旭、それは保証できないかも」



さぁ、一点限りの試合をやろうじゃないか。


.

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でんでんでん - お願いですぅぅううう更新してくださいいいいい大好きなんです😭😭😭 (7月7日 0時) (レス) @page46 id: 92be24dccc (このIDを非表示/違反報告)
アイスみたいな?? - うわぁぁぁぁ続きが気になりますぅ!!!!更新頑張ってくださいまし!! (2021年10月30日 1時) (レス) @page46 id: 173f9610a3 (このIDを非表示/違反報告)
youyuetaoze(プロフ) - 面白かったです!更新頑張ってください! (2021年6月11日 7時) (レス) id: d01cf80ca9 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ああさん» ありがとうございます!可愛いは正義!!これからもよろしくお願いします。 (2020年4月23日 15時) (レス) id: 71b6ca274a (このIDを非表示/違反報告)
ああ(プロフ) - めっちゃ好きな感じです!のやっさんがかわいい…。これからも頑張ってください! (2020年4月5日 13時) (レス) id: 33ccc4dd69 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:椿 | 作成日時:2016年10月25日 10時

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