生徒25「コーチ見参」 ページ26
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慣れたとはいえ、やっぱり体育館に行く道のりはキツイ。
こう青春と若さが煮え詰まった思い出しかないから懐かしさと同時に苦い気持ちも広がる。
というか私今日やること多すぎて大幅に遅れた。
やっぱりちゃんとしたコーチが必要だと思う。
どう考えても私の武田先生だけじゃやること限られてるし時間も足りない。
このまま来なかったら私だけでもどうにか時間を作って...
「ナイスレシーブ!」
「あれ?なんか人は多い?」
体育館に足を踏み入れた私はまず見知らぬ人が数名いることに驚いた。
誰?と思いつつ邪魔にならないように端を歩いて、武田先生の元に向かえば隣にいる人物に目を見開く。
「えっ、あの時のお兄さん!」
鳥「あ、お前居酒屋で会った奴か!」
「なんでここに?」
鳥「それはこっちの台詞なんだが」
「私ここの先生兼お手伝い」
鳥「俺は今日からここのコーチだ」
お互い驚いた顔を向けながら、簡易的な自己紹介をした。
まさかこんな再会をするとは思わなかった。
なるほど、ということはこのチームを観察すためにわざわざ彼の知り合いのバレー経験者を呼んで試合させてるのか。
武田先生から何も聞いてなかった私は少し非難の目で見つめたが、申し訳なさそうな顔をされただけだった。
この人なんだかんだ神経図太いよな。
「東峰君までいる...何がどうなってるの?」
コートを見れば、今まで不参加だった東峰君が西谷と菅原と共にバレーをしていた。
私が数時間いなかっただけで何もかもが急展開に進んでる。
どうやら試合自体はまだ始まったばかりのようだ。
チーム町内会のスパイクが決まり、菅原もトスが決まって嬉しそうだ。
そのあとは相変わらず日向と影山の変人速攻が入り、町内会や鳥養さんが唖然としている。
私も武田先生もニマニマと自分のことのように誇らしく思い笑顔が止まらない。
だが先ほどから気になってる東峰が心ここにあらずのようで集中できてないようだ。
それなのに、あの二人の速攻を見てから何かを決心したように顔を顰めさせてる。
旭「思うよ。何回ぶつかったとしてももう一回打ちたいと思うよ」
西谷の語り掛けるように振り向かず言葉を零した。
目を見開いた西谷は安心したように笑顔を浮かべてポジションに戻る。
西「それならいいです。それが聞ければ十分です」
気のせいかもしれないが、二人の雰囲気が変わったように感じる。
そしてホイッスルと共にまた試合が始まった。
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でんでんでん - お願いですぅぅううう更新してくださいいいいい大好きなんです😭😭😭 (7月7日 0時) (レス) @page46 id: 92be24dccc (このIDを非表示/違反報告)
アイスみたいな?? - うわぁぁぁぁ続きが気になりますぅ!!!!更新頑張ってくださいまし!! (2021年10月30日 1時) (レス) @page46 id: 173f9610a3 (このIDを非表示/違反報告)
youyuetaoze(プロフ) - 面白かったです!更新頑張ってください! (2021年6月11日 7時) (レス) id: d01cf80ca9 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ああさん» ありがとうございます!可愛いは正義!!これからもよろしくお願いします。 (2020年4月23日 15時) (レス) id: 71b6ca274a (このIDを非表示/違反報告)
ああ(プロフ) - めっちゃ好きな感じです!のやっさんがかわいい…。これからも頑張ってください! (2020年4月5日 13時) (レス) id: 33ccc4dd69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作成日時:2016年10月25日 10時