生徒12「どうしましょうか」 ページ13
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影山が”及川”について話してくれた。
名は及川徹、青葉城西の正セッター
そして影山が中学の頃の先輩。
なんとなく聞いた感じセッターとして申し分ないほど完璧なチームを作り上げるある意味天才の類。努力もしただろうが本人にも気づかない程のセッターとしての才能。
淡々と自己分析をしていたら正面から手をヒラヒラと振ってくる及川がこちらまで来ていた。
及「やっほートビオちゃん、久しぶりー育ったね。元気に”王様”やってる?」
ピリッと隣から感じる怒気にため息を吐く。
影「俺、サーブとブロックはあの人を見て覚えました。実力は相当です」
みんな少し顔を伏せ、思い悩んだような顔をした。それもそうか。この子達はここで勝たなきゃいろいろと失うものがある。
「ま、どんなに凄い人でも勿論負ける気はないよね?」
私の発言に驚いたのか、みんな戸惑ったような顔をしている。
澤「...はい」
「なら、それをこの残り少ない時間で証明してきてよ。今のチームで勝ちなさい」
みんな顔を見合わせ背筋を伸ばし一言だけ答えた。
「「「「「はい!!」」」」」
活気に満ちた顔が浮かばれる。うん、やっぱりその方がこいつらに似合う。
けど、余裕綽々と見ている及川徹に違和感を感じる。
今言った言葉に嘘偽りはない、だが私には知らないことが多すぎる。
このチームがどれぐらい強いのか相手チームに勝つ勝算があるのか、一人一人の技術を見ていないだけでこんなにも不安になるのか。
影「A先生、」
名前を呼ばれ顔をあげれば影山が妙に真剣な顔でいた。
影「俺は、いや俺たちは勝ちます。信じてください」
「...期待してるよ」
次のセットに各自用意をしている。及川はアップをしているのかまだこのセットの前半に出ないと思う。
相手コーチから怪我を覆ったらしいが、たぶんギリギリのところで及川を出す気でいる。
てか、私これ敵に塩を送ってるようなもんじゃない?ここで彼奴らが勝ったら私がコーチになるだよ?散々嫌だって言っていたのに、私矛盾してる。
武「A先生」
「なんでしょうか武田先生?」
武「彼らが勝っても負けてもあなた自身の思いに素直になって決断してください」
「...わかりました」
今はコーチになりたいかなんてわからない。
でも、1つだけ気づいたことがある。
私は彼らの勝つところが見たい、ただそれだけ。
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でんでんでん - お願いですぅぅううう更新してくださいいいいい大好きなんです😭😭😭 (7月7日 0時) (レス) @page46 id: 92be24dccc (このIDを非表示/違反報告)
アイスみたいな?? - うわぁぁぁぁ続きが気になりますぅ!!!!更新頑張ってくださいまし!! (2021年10月30日 1時) (レス) @page46 id: 173f9610a3 (このIDを非表示/違反報告)
youyuetaoze(プロフ) - 面白かったです!更新頑張ってください! (2021年6月11日 7時) (レス) id: d01cf80ca9 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ああさん» ありがとうございます!可愛いは正義!!これからもよろしくお願いします。 (2020年4月23日 15時) (レス) id: 71b6ca274a (このIDを非表示/違反報告)
ああ(プロフ) - めっちゃ好きな感じです!のやっさんがかわいい…。これからも頑張ってください! (2020年4月5日 13時) (レス) id: 33ccc4dd69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作成日時:2016年10月25日 10時