観戦少女 (ページ5) - 小説/夢小説

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言い合いは続いてるのか中からまた聞こえてくる。

「何言ってんだよ緑間！お前ふざけてんのか！」
「そーだぜ真ちゃん！それは俺もさすがにフォロー出来ねーって！」
「うるさいのだよ高尾！それに元はと言えばお前の運転が荒かったせいで落としたのだよ！！俺は探しに行ってくる！！」
「いやおしるこが飲みたいっておめーが言ったから遠くの自販機まで行ったんだろ！？」
「おい緑間！どこ行くんだよてめぇ！」

ガチャ

緑色の頭をした人が出てきた。

「緑間っち、チーっス！」

キラキラが飛び出るような黄瀬くんのウインク。
さすがモデル…綺麗なウインク。

バタン

そして閉められるドア。

「えっ！？ちょ、酷いッス～」

「ほら見ろ！だからラッキーアイテムがないとロクなことがないのだよ！！！」

ガチャ

次にドアが開いて出てきたのは黒髪の男の子だった。

「真ちゃんの友達？わりーけど今立て込んでて、またにしてくんない？」

『あーちょっとまって！これ落し物だと思うんだけど…違うかな？』

私は足元に置いていたたぬきの信楽焼を持ち上げた。

それを見た彼は目がカッッッと音が出そうなくらい見開いた。

「あっー！！！！それそれそれ！それだよ！！真ちゃん！！！ラッキーアイテムこれだろ！？」

「！！！？？どうしてここにあるのだよ！」

『ここ来る途中に落としたの見えて拾ったんだけど…』

「緑間っち、白石さんに感謝するッスよ」

「お前が拾ってくれたのか…白石さん、ありがとう。監督、試合出ます」

なんだか控え室の中にいる皆さんは疲れ切った顔をしていた。

『あ、もうすぐ試合始まっちゃいますよね！邪魔しちゃいけないので私はこれで！』

「待つのだよ。お礼がしたいから後で連絡するのだよ」

そう言って渡される連絡先。別にお礼なんていいのに。

そのあとすぐに、彼らは試合の時間が始まると行って出ていった。
あと、すれ違った時に黒髪の子にとても感謝された。

『黄瀬くん、ありがとうね』

「全然いいッスよ。てか白石さん、この試合誰かと見る試合あるの？なかったら一緒に見ない？」

『うん、いいよ！』

それから笠松さんと合流し、私も一緒に観戦することになった。