観戦少女 (ページ4) - 小説/夢小説

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私が話しかけた人の奥にいる人が答える。
ファンサービスってことはモデルでも…あ、この人黄瀬涼太だ。
クラスの子が言ってたな。

『あ、ごめんなさい。そういうのじゃなくて聞きたいことがあるんですけど』

それに声をかけたのは貴方じゃないです、って言うのは彼のプライドの為に黙っておこう。

『オレンジ色のジャージの高校ってどこか分かりますか？』

「オレンジ色って言ったら秀徳か？」
「そうッスね。秀徳高校に何か用事？」

やっと私の声を掛けた(と思っていた)人が口を開いた。

『落し物拾ったので届けようと思って。秀徳高校ですね、ありがとうございます』

「落し物ってもしかして、そのたぬきの信楽焼ッスか？」

『そうだよ』

なんか俺、知り合いな気がするッス…といった黄瀬涼太は自ら秀徳の控え室まで案内してくれるらしい。

「笠松先輩、つーわけなんで俺この子を送ってから合流するッス」
「わかった、じゃあ後でな」

そう言って笠松さんは私達と違う方向へと歩いていった。

「改めまして、名前は知ってると思うけど黄瀬涼太ッス。あんたは？」

『白石Aだよ。案内までしてもらってごめんね』

「いいッスよ。多分それ緑間っちのだし、それに白石さん俺のファンじゃないッスよね？」

『当たり～。よく分かったね！』

「だって白石さん俺のこと全然見てないし、最初だって笠松先輩に話しかけてたでしょ？あの人女の人苦手だからなぁ…」

どうやら私が笠松さんに話しかけてたのはバレてたみたい。

『そうだったんだ、顔が強ばってたからてっきり迷惑なのかと思っちゃった』

「違うッスよ。白石さんはあんま気にしないでくださいッス。あ！ここが秀徳の控え室ッスよ」

ドアの横には「秀徳高校」と書かれた紙が貼ってある。
中から声が少し聞こえるし、チームメンバーがいるのだろう。
わたしはドアをノックしようと「だから俺は試合に出ないのだよ！！」

揉めてるよねこれ、絶対揉めてる。

隣を見ると黄瀬くんは苦笑いをしていた。