第九十九話 ページ1
坂本side
それから少しの間涙が止まらなかったが、人は泣き続けることが出来ないのか、自然と泣き止んだ。
何だかスッキリした気分だ。
男子「…泣き止んだ」
そう言うとホッとしたように微笑んだ。
俺が泣いている間ずっと側にいてくれていた。
…何故ここまでしてくれるのか。
罪悪感からなのだろうが、何だかとても申し訳ない気持ちになってくる。
坂本「…さんきゅーな……それより、お前さ、授業いいのか?…っていうか今何時?」
何時間眠っていたのだろうか、自分は。
急に不安になってくる。
男子「ん?あぁ、大丈夫。アレは先生が来て片付けてくれたし、授業もちゃんと受けたよ。皆心配してた。んで今は昼休みだ。」
…俺、よく寝てたなぁ。
坂本「…ほんと、ゴメンな。皆にも迷惑かけたな…」
つくづく皆の優しさを感じる。
男子「いや、俺の方こそ悪かった」
あ、また。
もう何なのコイツ。
元はと言えば俺が大袈裟な反応して勝手にゲロって意識失ったのが悪い。
コイツにはここまで運んでもらって心配もしてくれている。
でも。でもさ、本当に申し訳ないけど、何だかイライラしてきたぞ?
そう頭の中で考えている内にも、ソイツは目を逸らしてよく分からないけど物凄い死にそうな顔で謝罪の言葉を並べ立てている。
男子「…れで、…だからっ…!」
何かが切れた気がする。
坂本「……おっ前さぁ!何なの!?何!!?マジで何だ!!謝んなってさっきも言ったよな!!なぁもしかして罪悪感か!?罪悪感からならほんとに許さないぞ!!!別にお前は悪くない!!そうだ全く悪くない!!!だから謝るんじゃねー!!!」
ベッドを立ち上がりながらどんどん相手に迫ってまくし立てる。
そう様々な言葉を並べながら立ち上がっている際に、ソイツはびっくりしながらもオロオロとしていた。
男子「おっお前…!急に立ち上がったら…」
坂本「うるせぇ!こんにゃろー!!」
そう叫んで頭をボカッと一発食らわせた。
男子「痛ッ…!おまっ、何すんだよ!!」
坂本「うるさいうるさい!謝んなって言ったのに謝ったから怒ってんだよ!!オラァアアァ!!!」
そうやって二人で馬鹿騒ぎした。
…この後先生が入ってきて散々絞られたのは言うまでもない。
395人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヤンデレ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょっこれーと - 最後の同級生の子と夢主ちゃんの告白シーン、可愛すぎやろ……( ^ω^ ) (2022年1月31日 0時) (レス) id: 796db9a12e (このIDを非表示/違反報告)
あ - うわーオチも最高 (2021年2月8日 3時) (レス) id: 3de58ab355 (このIDを非表示/違反報告)
秋穂 - 怖かったけど感動しました...最後の付け足しがまた良い感じに怖い... (2019年3月26日 17時) (レス) id: 03b7d5bfd5 (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - 最高です!!面白かったです!!小説の書き方と物語などがうますぎて憧れます♪ (2019年2月22日 11時) (レス) id: c181c25be4 (このIDを非表示/違反報告)
麗 - 辛すぎる…!でもそこが面白かったです。改めて人の愛というのがどんなモノか学べました。ありがとうございます。 (2018年11月20日 6時) (レス) id: 9baab70cb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:豆粒 | 作成日時:2014年5月22日 19時