お兄ちゃん、おかしいよ…？[ヤンデレ] (ページ39)

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第三十八話ページ39

～一夜side～

Aの部屋から何かが割れる音がした。

へぇ。頑張ったね、A。

………っ、おっと。

ここで、笑っちゃおかしいか。

焦って慌てた顔、しないとな。

ここで笑っちゃ、俺が、ちょっとおかしい人になる。

俺は

「妹に何があったのか凄く心配で、ひどく焦って妹の部屋へと向かう兄」

を、演じた。

#二階監禁部屋

俺が部屋の扉を開けるとAの顔から輝きがなくなっていく。

そんなに俺が、怖い…？

そんなにアイツのことが好き…？

そんなに俺から離れたい…？

何で、そんなに…………

絶望で満ちた顔をするんだ？

Aの足を見ると割れたコップの破片による傷ができていて、血が出ていた。

ゆっくりとAに近付く。

歩を進める度に彼女はビクビクと震え、ズルズルと後ずさりする。

そんな行動をされて明らかに怖がられているのに、嫌な、悲しい、はずなのに。

やっぱり俺…………おかしいのかな？

すごく可愛い……

思わず携帯を取りだして怯えた表情のAを撮った。

携帯をしまい、Aのすぐ横まで行く。そして耳元で囁いた。

一夜「……今度は、この悪い足も、縛り付けような…」

傷だらけの足を撫で、指先についた血をこれ見よがしにAの目の前で丁寧に舐める。

………あ、そろそろ戻らないと。

おかしく思われるな。

一夜「…じゃあA、また、後でね………？」

クスリと息が漏れた。

#一階

アイツは俺が降りてくるととても心配そうな顔をしてAの様子はどうだったか、とか、何があったのか、ということを聞いてきた。

鬱陶しい。

一夜「あー…えっと心配無いよ。

Aに怪我は無かったし、何か、寝ぼけて棚にあった物落としたみたいなんだ」

坂本「…そうですかっ……

はぁ…良かった

あ、じゃああんまり長居するのはあれなんで、そろそろ帰らせて頂きますね」

一夜「うん。心配してくれてありがとう。そうしてくれると助かる。割れたの片付けなきゃならないし。

Aには俺から言っておくよ」

坂本「はい。お大事に。

それじゃあ失礼します！お茶ありがとうございました！」

………馬鹿だなぁ。