トム ページ27
また撮影が始まり1週間ほどたちAも現場に慣れてきていた。
機材もほとんど直ったが待ち時間はやはり長く、キャストはそれぞれ思い思いに過ごしていた。
Aは最近よく話すようになっていたトムと朝からいたのだが、トムはスマートフォンを確認すると嬉しそうに話し出した。
トム 「ねぇA、僕もやっとランキングに入ったよ！」
A 「なんのランキング？」
トム 「君のボーイフレンド候補者のランキングに決まってるだろ？」
A 「えっ？トム、ランキング見てるの？なんでトムまでエントリーされたのかな……？」
トム 「だって僕が毎日自分で票をいれたからね！」
A 「え？なにそれ？」
トム 「だから、エントリーされたくて自分で票をいれたの、でも一人でどうにかできるもんでもないから、皆も僕たちがお似合いだと思ってくれてるってことだね！」
Aはなかなか理解ができなかった、なぜトムが自分で票を入れてまでエントリーされたかったのか、なぜお似合いだと思われて嬉しそうなのか。
A 「えっとー、トムはあのランキングにエントリーされて何かメリットはあるのかしら？」
トム 「え？君と付き合える確率が上がるだろ？」
A 「え？トムは私と付き合って何かいいことあるの？」
トム 「え？さっきから話が噛み合ってないき気がするけど？みんな君と付き合いたいと思ってると思うけど？」
A 「え？なんで？売名のため？」
トム 「何言ってるんだよ！君はかわいいし
性格も良いし、他の子とは全然違うからもっと知りたいって思わせるし、とにかく君はものすごい魅力的なんだよ」
Aは首をかしげながら黙りこんでしまった、やはりうまく理解ができないのだ、なぜトムがこんなにも誉めてくれるのか。
トム 「まだわかってない？あのね、僕は君が好きだ、急だし自分でもすごい驚いてる。
いつもはこんなにすぐに人を好きになることなんてないんだ、僕たち特別何かあったわけでもないだろ？でも気がつくと君のことを考えてるし君のことを目で追ってる。」
A 「え？あの、私……」
トム 「あっちょっと待って！別に今すぐどうこうしたいと思ってる訳じゃないんだ、Aが鈍感すぎて言っちゃったけど僕はゆっくり進めたいと思ってるから。」
A 「えっとー、私はどうしたらいいの？」
トム 「今までどうりでかまわないよ！ちょっとだけ僕を意識してくれたら嬉しいな」
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作者名：chibamituki | 作成日時：2019年5月20日 20時
