東海の彼らと

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「純さん、ってしか呼んでないですもんね笑」

『いつもの呼び方で安心したよ』

はい、おまたせしました、と目の前にカレーが出される

「ありがとうございます、いただきます」

久しぶりの純さんのカレーはやっぱりおいしい

「おいしい！」

『よかった、Aが来るんだったらもっと辛くしておけばよかったな笑』

なんて話をしながらそのあとはお客さんも少し入ってきて、ほかの人の話し声と、私と純さんが話す声、シェイカーの音、変わったBGM色んな音を聞きながら色んな話を聞いてお酒も進んだ

「…それでね、今日なんか」

さっきまで一緒にいた私の想い人の話を始めた

「惚れ薬とか言って、意味わかんない錠剤見せてきて…本当に振り向かせたい子なんかいたんだって……」

自分で言っていて虚しくなってくる
お酒も入っているからなおさらだ

「一生、私のことなんか眼中にないんだ、あいつは……」

『…Aはその彼に何か伝えたの？』

「え？」

『前からよく話してる彼のことだよね？オレンジ頭の』

「そう…」

『幼馴染だから、っていうのもあって普通のその年の男女よりは距離は確かに近いけど、Aはずっと黙って好きでいるだけじゃない？何か言葉にして伝えたり、行動にしたりはしてるの？』

「…しては…ないかな…」

『そしたら当たり前なんじゃないの？誰かのものになったってしょうがないじゃん、Aの気持ち一個も伝わってないよ、彼に』

こんなにてつやとの関係に誰かに何かを言われたのは初めてで、言葉が出なかった
言われてみれば、好きになってからはずっと逃げてばっかりだ。

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