【wrwrd!】机の下は異世界に【zm】 (ページ17)

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敵兵ページ17

無事、敵の基地を発見し、敵の能力値を素早くメモした後、急いで我々国への道を引き返した。
安心して油断した。
自分の力に慢心してた。

散歩にでも出ていたのか、一人の敵兵に鉢合わせてしまった。
「お前、うちの軍の者ではないな？」
懐から引き抜かれた剣を構え、敵兵はこちらを睨んだ。
さすがにやばいと察し、森の中に走って逃げる。
敵兵は逃がすまいとわたしを追いかけてくる。

相手は男。少し訓練しただけのわたしなんかじゃかなうわけもなく。
ああ、まずい。追いつかれちゃう。

背中に冷たい感触。
けどすぐにそれは生暖かいものに変わった。
「大人しく降参しろ。お前、我々国の人間だろう」
こけて倒れ込んだわたしに容赦なく殴りかかってくる敵兵。
バキバキに壊れたインカム。
ロボロが作ってくれたものなのに。

死ぬ。
こいつを殺さなきゃわたしが死ぬ。
そう思うと体は勝手に動いた。
あの地獄のような訓練が今ここで役に立ったのだ。

地面に転がったショルダーバッグをどうにか掴み、ゾムからもらったサバイバルナイフを敵兵の首めがけて投げつけた。
適当に投げたそれは運良くヒットする。
怯んだ敵兵を蹴り上げ、立ち上がる。
二本目のナイフにだけ集中し、なんとかとどめを刺す。
すると敵兵はパタリと動かなくなってしまった。